goo

ガラパゴス経済学と最底メディア

きのう海外に住んでいる官僚OBと話したら、「アジアから見ても、日本のメディアのレベルは中国以下だ」と嘆いていた。たしかに今どき金子勝氏や内橋克人氏のようなマルクス主義者が堂々とテレビに出てくるのは、北朝鮮ぐらいのものだろう。先月、岩波書店から出た『現代経済学』という本はマル経の教科書で、著者の一人は元革マルの活動家だ。

経済誌になるとさすがにマルクス主義者は出てこないが、こっちでは地底人が大活躍だ。さらに困ったことに、経済誌の編集者になるとIS-LMぐらいは知っているので、そういう学部レベルの知識で「構造改革は清算主義だ」とか主張する「リフレ派」を「学問知」と取り違える傾向が強い。要するに日本は、地底人=ケインズ派と最底人=マルクス派の闘う、経済学のガラパゴス島なのである。

同じように日本のメディアを格付けすると、地底メディアは内橋氏に「ワーキングプア」を語らせるNHKや、金子氏をレギュラーにして会長が「地デジに補助金よこせ」と主張し続けているテレ朝だろう。フジサンケイグループも、先日の「サキヨミ」のように、私をブラックリストに入れている。日経は著作権や電波の原稿に社内検閲体制を敷き、私に取材した記者の原稿はすべて没になる。

相対的にましなのは、朝日新聞と文藝春秋である。朝日は地デジについても、かなり早い時期から客観的な報道をしているし、著作権についても中立的な立場で書いている。文春も地デジについて早くから批判してきたし、「格差社会」論はバカにしている。メディアの質はイデオロギーではなく、記者がどれだけ組織の論理から自立しているかで決まるのだ。

他方もっとも報道管制が徹底しているのは、私のところに一度も取材に来ない読売新聞だ。彼らは都合の悪い原稿をつぶすだけでなく、積極的に嘘をつく。「ダビング10 メーカーの頑固さ、なぜ?」(リンクは切れている)という5月10日の社説はこう書く:
たった1回しかできなかったDVDへのコピー回数を10回まで増やす「ダビング10」の実施が、6月2日の開始予定日を目前に、暗礁に乗り上げそうな情勢だ。番組にかかわる著作権料の徴収制度に機器メーカーが反対しているためだ。[・・・]消費者団体の委員も理解を示す中、メーカー側の委員だけは「10回に増えても制限があるなら補償は不要」「補償金の対象が際限なく広がる」などと反対した。
事実はこの逆で、「消費者団体の委員も理解を示す」どころか、ダビング10を人質にしてiPod課金を強行しようとする文化庁に消費者の批判が集中し、読売の捏造キャンペーンを押し切って補償金はつぶされた。

ある意味で読売は一貫している。渡辺=氏家ラインの「国策としての地デジにおつきあいする代わりに行政に恩を売り、最大限の補助金を引き出す」という経営戦略にもとづいて、社説も記事も統制されているからだ。読売には「編集権の独立」という建て前さえなく、読売=日テレグループ及び政府=自民党に反対する者を攻撃する道具に新聞を使っているのだ。読売新聞には「偉大なる三流紙」とともに、最底メディアの称号を進呈しよう。
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
前の記事へ 次の記事へ
 
コメント
 
 
 
読売新聞 (Verbatim)
2008-10-10 16:50:14
B-CASを地デジに適用するきっかけとなった
総務省令の改正を後押ししたのも読売新聞でした。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020612_5.html
 
 
 
朝日系メディアについて (X氏)
2008-10-10 16:54:08
最近朝日系メディアは櫻井よしこ氏の中国批判の記事をのけったり新書からは産経の黒田勝弘氏と自社の記者の対談本を出したりと「空気」を読めるので迷走を続ける岩波よりは生き残る可能性が高い気がします。
 
 
 
稀に読売と日テレが対立することも (廃人2号)
2008-10-10 19:46:56
国松長官狙撃事件でK巡査の証言テープ放送に関しては、他メディアが一斉に否定報道に走り、テープを持ち込んだ苫米地批判へと走りました。どうしても陰謀論が出てきしまう事件でしたが、このメディアの対応を陰謀論を廃して考えると、他社のスクープは認めない官僚的な体質が根底にあると思います。

インターネット上では「朝日=左翼」という図式で喧伝する人々が沢山います。朝日はたしかに問題がある偏向報道をすることがありますが、確信判定的に議題のテーブルに載せるために極左な報道をしているのではないかと勘ぐってしまいます。

地球温暖化に関しても朝日系列は社の方針として危機感を煽る方向のようですが、池田清彦さんなどにも発言の機会を与えます。

昨今の金融不安で、実体経済から離れた金融は不要だという論調が朝日グループにあるように感じます。自分もファンドなどの金融ビジネスは不要であると思っているのですが、完全に無くなると市場がひとり勝ち、寡占になるので、必要悪かなとも思っておりますが、金融ビジネスが発展した末路が、鉄鉱石、種子、石油など結局、寡占状態になっています。

池田さんは金融ビジネスは必要だとの見解をお持ちのようですので、竹中さんの番組などに出る機会があれば是非ともお願いします。
 
 
 
マスが恐慌を煽ってない? (ペンギン)
2008-10-11 00:10:16
なんだか最近のマスメディアの報道が、かえって人々の不安をかき立て、取り付けに向かわせているように思えます。
秋葉原殺人事件の過剰報道の結果から少し学んで欲しい気がします。

主旨違いでしたらすみません。
 
 
 
感銘いたしました (MESI)
2008-10-11 09:49:45
「メディアの質はイデオロギーではなく、記者がどれだけ組織の論理から自立しているかで決まる」というのは本当に名言ですね。

 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
コメントをするにはログインが必要になります

ログイン   gooIDを取得する
 
この記事のトラックバック Ping-URL
 
http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/36391dd729658d40122fe9f8557e56ed/19

ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません
 
・30日以上前の記事に対するトラックバックは受け付けておりません
・このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け付けておりません