[PR] 動物 霊園 読書日記? 鎧をまとう人びと
趣味の歴史や読書などについて、つらつらと語るブログ。戦国真田氏ネタが多め。最近は手芸ネタも増え、カオス化しています。(汗)
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鎧をまとう人びと―合戦・甲冑・絵画の手びき鎧をまとう人びと―合戦・甲冑・絵画の手びき
藤本 正行

吉川弘文館 2000-03
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 甲冑と合戦にまつわるエピソードを紹介し、肖像画や絵巻に描かれた甲冑や現存する甲冑についての細かい説明、合戦方法の変遷に伴う甲冑の変化などを解説した本です。

 私も含めた素人が見過ごしてしまうような細かいところまで解説していて、とても面白かったです。やはり、小説よりもこういう本の方がいいな

 驚いたのは、中世史関係の本でよく見かける『男衾三郎絵詞』の、大鎧の胸の部分に取り付けられた『鳩尾の板』(左)と『栴檀の板』(右)が全て逆に描かれているということ。
 『男衾三郎絵詞』の中で本で見かけるのは、弓の弦を3人で張っているところや、弓を射ようとしている武士の後姿が多いため、今まで考えたこともありませんでした。
 私は、鳩尾の板は左・栴檀の板は右ということは知っていますが、多分、全部見ても私には気付かなかったでしょう。(汗)

 他にも、腹巻と銅丸の違いや、弓を引きやすい片籠手(左腕のみ)から諸籠手(両腕)に変わっていく過程など、文章だけで読んでもわかりづらい点を図版を多用して説明しています。

 有名な伝・足利尊氏像は、現在では尊氏の執事であった高師直(または師直の一族)像ではないかと言われていますが、その根拠についても詳しく説明しています。
 あの髻も結わず烏帽子も兜も被らない髪型について、『太平記』にあるエピソードが基になっているといわれていました。

 北条時行(最後の得宗・高時の遺児)が挙兵し鎌倉を一時奪還した『中先代の乱』を平定した足利尊氏・直義兄弟でしたが、後醍醐天皇はが幽閉されていた天皇の皇子・大塔宮護良親王を直義が殺害したことを知り、新田義貞を大将にした追討軍を鎌倉へ送ります。
 尊氏は、「自分は天皇に逆らう気持ちはない」と寺に籠もった尊氏。直義は出陣したものの、敗れて鎌倉へ戻りました。
 出家すると言って髻を切ってしまった尊氏でしたが、直義が「出家しても許さない」という天皇のニセ綸旨を作って見せたため、尊氏は重い腰を上げることになります。
 足利の兵士たちは、尊氏の髪型が目立たないよう、同様な一束切りにしたと言われています。
(尊氏の出陣については、別の文献では直義が敗れたと聞いた尊氏が「直義が死んでは自分も生きている甲斐がない」と起つことを決意したと書かれています。)

 ということで、この像の異様な髪型は、この時の尊氏だ言われていたんですね。これが高師直だと本で読んだ時(結構前ですが)は、カルチャーショックでした。

 この肖像画以外にも、伝・源頼朝像や、この本でも解説されている武田信玄像も別の人物の可能性が高いと近年言われていますね。数十年後には、歴史の教科書の肖像画が全く変わっているかもしれません。

 この本だったら、手元に置いておきたいと思ったのですが、定価が3,300円。手が出ない・・・古書店で半額くらいで扱っていないかしら。

■鎧をまとう人びと  藤本正行  吉川弘文館
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