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「意味づけ」の病

元厚生事務次官殺害事件は、やはり頭のおかしい男の場当たり的な犯行のようだ。ワイドショーでは朝から晩まで、いろんなコメンテーターがこの事件の「意味」を解説しているが、それは無駄である。「犬の仇討ち」というシュールな動機も、本当かどうかはわからない。むしろ統合失調症のような疾患を疑ったほうがいいだろう。

秋葉原殺人事件のときも、私のところにコメントを求める取材や、本で対談してくれという話が来たが、すべて断った。精神異常者はどんな社会にも存在し、彼らは一定の確率で殺人をおかす。その対象が家族であればベタ記事にしかならないが、「秋葉原」や「厚生省」という意味がつくと、メディアが大きく取り上げる。この種の報道は憶測ばかりで、犯罪の連鎖を呼ぶ有害無益なものだ。

こうしたワイドショー的発想の典型が本書である(リンクは張ってない)。内容は、およそ論評にも値しない無内容な雑文の寄せ集めだ。本として最低限の品質管理も放棄し、犯人の名前さえ実名と匿名が混在している。編者の本が分厚いばかりで中身がないことはこれまでにも書いたが、本書は彼にとっても岩波書店にとっても記念碑的な駄作である。東浩紀、平野啓一郎、本田由紀、雨宮処凛といった「読んではいけない」メンバーが見事にそろっている。

犯罪に過剰な意味づけを行なう傾向は、私の印象ではオウム事件のころから顕著になってきたと思う。カルトというのは集団的な精神病で、それが犯罪を引き起こすのもありふれた現象だ。それに無理やり「日本社会の病理」とか「安全神話の崩壊」などという意味を与え、破防法まで動員して大騒ぎした。

こういう過剰報道は読者からは理解しにくいが、供給側からはごく自然な現象だ。個々の記者や編集者にとっては、社内で陣取りするとき、意味づけが不可欠だからである。前にも書いたことだが、私がかつてニュース番組でビル・ゲイツへのインタビューを提案したとき、デスクが彼の名前を知らないので「全米一の金持ちゲイツさん」という企画で通した。マイクロソフトのCEOという業界ネタではニュースにならないが、「37歳の大富豪」という意味づけがあればオジサンにもわかるのだ。

メディアの社内競争は激しい。特に記者のランクは、どれだけ大きいニュースを出したかで決まるので、編集会議でなるべく社会性のある意味をつける必要がある。単なる交通事故が、「激増する飲酒運転」という意味がつけば(実際には増えていなくても)トップニュースになる。暖かい日が続いたという程度の話も「地球温暖化」と結びつければニュースになる。

1990年代から、このような「物語」づくりが顕著になったのは、おそらく偶然ではない。かつては資本主義と社会主義という大きな物語があり、各メディアは自社の方針に沿って主張すればよかったが、社会主義が崩壊してから「革新勢力」の依拠した物語が失われてしまった。そこで彼らは「格差社会」とか「コンピュータによる人間疎外」とかいう小さな物語をつむいで、反体制のポーズを守ろうとしているのである。
コメント ( 39 ) | Trackback ( 7 )
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コメント
 
 
 
まさに (United)
2008-11-24 19:19:42
まさにその通りだと思います。ワイドショー的な的外れな意味づけに毒されている方には条件反射的にスルーされてしまう記事だとは思いますが。
 
 
 
自称知識人 (NGT)
2008-11-24 20:09:55
記者ではありませんが,香山リカなどは意味づけ病の典型的患者ですね.
 
 
 
まったく (北村隆男)
2008-11-24 20:31:45
まったく、同感です。
秋葉原の事件では、長男の同じ高校、オーケストラの仲間が命を失いました。ただただ、無念です。「物語」にはうんざりです。ある意味、この愚劣さかげん、いいあらわしようがありません。
 
 
 
心の闇なんて知るか! (時田です)
2008-11-24 20:47:38
>個々の記者や編集者にとっては、社内で陣取りするとき、意味づけが不可欠だからである。

 殺人事件がある度に犯人の「心の闇」がどうたらこうたら、、、。こんなマスコミの裏事情があったとは。勉強になりました。
 
 
 
 
Unknown (フロレスタン)
2008-11-24 20:58:18
この犯人の「佐賀大学理工学部中退」という中途半端な学歴が余計に意味づけを誘因しているような気がします。有名大学の学生が大麻に手を染めた、というのに意味づけしようとしているのと通底しているかもしれない。

意味づけ病だと、尾木直樹なんて人物もいますね。
 
 
 
ていうか (かも・しか)
2008-11-24 21:23:25
寧ろ気になるのは、何で、犯人の父親にインタビューするのか違和感があります。
 40近い大の大人の親に何を語らせようというのだろう。
 育て方を間違えましたなどと云う月並みな反省を聞きたいのだろうか。
 成人した子供の負債は親には責任がないことを考えると、基本的人権の侵害に及ぶ可能性がある。

 寧ろこっちの方が問題は深刻なような気がしますが。
 
 
 
岩波ですか・・・ (yossy)
2008-11-24 21:35:19
岩波も頓珍漢でもある程度の節度というか見かけ上の体面があった気もするが、すっかりなりふり構わず軽くなりましたねえ。
 
 
 
内側から・・・ (rutan)
2008-11-24 22:25:03
いつも拝読しておりますが、今回のエントリーはいつにも増して納得しながら読んでしまいました。

私はいわゆる大新聞・TVではなく、専門誌を中心に活動していますが、そのようなメディアでも日々のニュースを発信するときに、「物語」を付けたがるのが悪い習慣だなと自省しています。

読者の目を引くには、見出しの付け方とかを含めて、ストーリーを作るのが「記事」作りの基本スタンスのようになっています。

実際には増えていなくても、「激増する飲酒運転」と書いてしまうような、メディアの在り方は考えなくてはいけないと痛感しました。


 
 
 
Unknown (Piichan)
2008-11-24 23:48:04
マスコミは被告人の生の声が聞ける裁判をもっと重視するべきだと思います。それと弁護士のコメントを弁護士の実名を出して報道してほしいものです。

警察発表の垂れ流しはやはりよくありません。
 
 
 
そうは言っても (佐藤秀)
2008-11-25 00:04:23
意味づけのないニュースなんて存在しません。ニュースも相場と似ていて、時には何かのきっかけでバブルも起きるし、そうかと思えばウソのようにあっと言う間に沈静化することもある。結局、これも規制すべきか、自由化すべきかというおなじみの議論になり、池田さんの立場からすれば、できるだけ規制を設けない方がいいということになりませんか。歴史とか文化って所詮は「過剰な意味づけ」の結果の堆積でしょう。
 
 
 
心理学者の方々 (kt01mk)
2008-11-25 00:31:39
心理学者の方々がいろいろコメントされてますけど...みんなバラバラなことをいってますね。

私には、学問的な裏付けがある訳ではなく、心理学者という肩書きをいいことに、ご自身の経験、思想、平たくいえば「思い込み」で発言しているようにしか思えません。実際、発言の内容は、一般人とそう変わらないものですし。

学問の性格からか、あいまいで、検証もしづらく、責任を問われにくいことも幸いしているようです。

心理学の学位をとれば、好き勝手なことがいえるとすれば、これは大問題だと思うのですが...

 
 
 
Unknown (とんがりコーン)
2008-11-25 01:35:06
その議論でいくといつどの時代においてもこのようなきちがい犯罪は発生するということになりますが・・・。まあでも、実際はそんなものかもしれませんね。

むしろ問題は、なんといいますか、閉塞感とか抑圧といった「小さな物語」を特に若年層が進んで求める所にある気がしますね。それをマスコミが政治的なバイアスをもって増幅させているような・・・。

もっとも、これも意味づけですか。
 
 
 
パターン化 (seiren)
2008-11-25 01:52:37
いつも拝読しております。

「この種の報道は憶測ばかりで、犯罪の連鎖を呼ぶ有害無益なもの。」

まさにそのとおりだと思います。

(みなさんのご意見と重複しますが、)殺人事件があるたびに、犯人の両親がインタビューに応えたり、犯人の小、中学校時代の文集を出したり、学者や作家の分析コメントが出たり。中継場所もみな同じ。現場の若手記者は興奮気味で、話すのをトチってばかり。しかも内容は警察の発表をひたすら繰り返すだけ。

真面目なアナウンサーが警察の発表を淡々と話した方がよっぽど伝わると思うのですが、メディアもしょせん、ビジネスなんですね。


 
 
 
物語と鬱 (mochib)
2008-11-25 03:44:01
多くのまじめな文学者や芸術家にとっては物語は立ち向かうべき大きな壁であり、壊すべき敵なのですが、これが社会的な意味で彼らの重要な仕事であり、彼らの存在意義でもあることを皆がもっと自覚するべきでしょう。
物語化の欲望は形式化の病です。それは鬱的なもので、それに対して統合失調(分裂症)はその鬱的な病に対してのアンチとして機能し、意味付けによって自動的に形成されてしまう物語に無意味を打ち込んでそれを破壊しようと努め、世界のバランスを保つための役割を担います。物語化=形式化=鬱は死の病なので、それに対して世界はゲリラ的に立ち向かうことで生きるために抵抗しているということかとも思えるのですが、
しかしそうだとすれば、マスコミのこの執拗な意味付け=物語の付与こそが実はこういった事件を引き起こす最大の原因であるということになり、それはやはり大きな罪ではないかと思います。
 
 
 
身内に統合失調症患者がいます。 (りす)
2008-11-25 05:23:23
身内に統合失調症患者がいます。
身内としては、そういう病気になってしまった
理由が知りたいんですよね。
理由を知って、安心したいんですよ。
でも、いろいろな本を読んでみると、
よくわからない、というのが現実のようです。

会社でも、よく理解できない人がいると、最後は
「そういう性格だから仕方がない」という結論になります。
そんな解釈をしたところで何も解決しないんですけど、
なにか理由づけをして、精神の安定を保ちたいのが
人間なんですよね。
 
 
 
童謡で動揺を抑えるNHK (長井利尚)
2008-11-25 05:27:06
飼っていたワンコの話うんぬんを、国からもらった電波で長々と垂れ流す図太さには、気持ち悪さを感じます。

「MSのCEO」ではダメで、「37歳の大富豪」なら企画が通るというのは、面白いですね。「50歳専業主婦で高卒」の視聴者が見たくなるようなタイトルです(笑)。
 
 
 
心強いご意見を感謝します (Haineko2003)
2008-11-25 05:46:07
「弱い声を守る」といいながら、恣意的な「意味づけ」をしてかえってそれら弱者を抑圧してる彼らにイカリを覚えるくらいです。
あいにく「アキハバラ発」は今読んでいる最中なのですが、タメイキばかりついてしまっています。
池田さんのこの本に対する評価は100%当たっていると思います。
中で森達也さんと、永井均さんのいつもの調子の「いま考え中」だけが救い(というか内容はゼロなんだけど)です。
 
 
 
意味づけ=解釈 (IT土方)
2008-11-25 07:48:46
まるっきりNEWSの事実自体のみ報道されても、一般人はそれをどう解釈してよいか、けっこう迷う場合が多いと思います。
そこにマスコミの意味づけというか物語性が必要とされるのでしょうが、マスコミはできるだけ客観的な分析を複数提供するだけでいいと思います。
決して押し付けるのではなく、その筋の一流の専門家による冷静な分析を必ず複数用意してくれれば、それ以上は必要ないのでは。
 
 
 
マスコミの反体制のポーズ (Taro)
2008-11-25 08:12:36
かつて左翼は「ブルジョワマスコミ」と呼んで、あらゆるマスコミを体制側のイデオロギー装置とみなしました。今も彼らは広告主の宣伝をしているという意味では、「ブルジョワマスコミ」ですが、記者の書いていることに何の意味も深みもなく(あるいは意味が深そうに見せかけることにも失敗していて)、「ブルジョワマスコミ」自体の退廃傾向が進んでいるようです。「意味づける」能力すら見えてきません。たとえば、本日付東京14版(11/25/2008)の1面のトップ記事(『別の元次官襲撃も計画』)でも「(警視庁)などは、こうした説明では元次官襲撃の動機としては飛躍がありすぎるとみている」などと警視庁を引用するだけです。「意味づけ」の役回りはテレビ番組にまかせるというなら、それは結構なのですが、何でもかでも警視庁のいうことをそのまま垂れ流すだけでは、ジャーナリズムとは言えないでしょう。むしろ独創的で面白い「意味づけ」でもしてくれた方がまだ安心できるかもしれません。大本営発表をそのまま出す前に、自分で調べて、調べて何も出てこなければ、自分の頭で考えて、記事を書くべきで、それができなければ、記事を書くな、と言いたい。「信用に値する情報がないので、犯行の動機については、追って報告します」と書く方が、いさぎよいはずだ。最近、財界人が『報復でもしてやろうか』とマスコミ批判を行ったが、これは、体制内マスコミの自壊作用の表れでしょう。ロール・プレイングの意味が分からない連中が実は自分達のお得意様で、そちらから攻撃された模様。行き着くところは、大本営直営でしょう。そうすれば「報復」される心配もなくなります。マスコミ人は自己改革を進める以外に、「ブルジョワマスコミ」もまた死に至る道しかないという現実を認識すべきと感じます。
 
 
 
「意味づけ」の詐欺 (tanakac)
2008-11-25 14:20:37
日本のマスコミがジャーナリズム精神を持たず、「価値の創造」もしないで、ただ「意味づけ」の病に侵食されているのだとしたら、有害で危険なだけです。なぜなら話術・演出など駆使して「意味づけ」の詐欺に発展するからです。

日本のマスコミは視聴者に向け「振り込め詐欺」をしているか、言葉巧みに「危険な麻薬」を売りつける存在でしかないというわけです。

 
 
 
Unknown (ken)
2008-11-25 14:43:51
フランスにおりますが、14年ぐらい前、地下鉄を爆破したアルジェリア系の少年がいた事件では、フランスの新聞やテレビは社会における阻害等の社会的背景について分析していたことを思い出しました。

 今回の事件はどうも単なる精神に問題のある人の行動のようで、社会的背景によるものより、病気が原因のようですが、そのおかしい人の怒りが元次官に向かっていったっていう背景には、やはりマスコミの過剰な報道もあったのではないでしょうか?


 しかし、多くの人の命が失われているわけで、そのような事件の再発を防ぐ手段の検討は必要でしょう。秋葉原の事件については、こういう精神が歪んでしまう人は社会の中には必ず出てきてしまうわけで、そういう人に殺傷力の高いものを入手できないようにするような改革ぐらいしか手の打ちようがないんでしょうね。社会的背景「物語」があったとしても、こういう人に影響がでないような社会にすることは絶対無理でしょう。たとえば、競争のない社会を達成するのは無理だし、有害です。
 
 
 
Unknown (ずろちこるな)
2008-11-25 15:47:45
意味づけってやっぱり、人間の本性に由来する欲求だと思うので、それが無駄だ、というのはちょっと無理があるように思います。創造神話から芸能ゴシップまで、すべては意味づけを求める結果の産物なのではないでしょうか。で、国民がなんらかの意味づけを欲している以上、それを満足させるような記事(科学的に妥当かどうかは問われない)を書く人間がメディア内でのし上がっていくのも当然のような気がします。

>犯罪に過剰な意味づけを行なう傾向は、私の印象で>はオウム事件のころから顕著になってきたと思う。
忠臣蔵なんかも、犯罪への過剰な意味づけの一例だと思いますが・・・。
 
 
 
ビジネスモデル (閑話ノート)
2008-11-25 16:51:37
反体制のポーズが、マスメディアの不変なビジネスモデルということでしょう。
そういう意味で小さな物語りづくりは、痛々しい限りです。
 
 
 
意味づけしたがる日本人達 (ゲッコーモリア)
2008-11-25 17:18:20
これだけで一冊本が書けそうですね。
 
 
 
同感です。 (W)
2008-11-25 18:56:26
「人間が意味づけや解釈をする事が悪いのか?」という話と、「一部の報道番組やワイドショーが過剰な意味づけをしていることの弊害」は、別の問題だと思います。

池田先生がご指摘されているのは後者だと思いますが、今回のエントリーも本当に同感でした。

数年前、「旅客機の操縦をしたかったから」という理由でハイジャックをしたという事件がありました。航空会社のハイジャック対策マニュアルはこうした事態を想定していなかったそうで、(どこまで可能かは別として)関係者はこの犯人がこうした異様な犯行になぜ至ったのかを解釈・分析して、どうにか対策を練ろうとしたと思います。
関係者が意味づけしようとするのは当然でしょう。


一方で、例えば「ある女性タレントが、映画の舞台挨拶で偉そうな態度をとっていた」という出来事を、ワイドショーがあたかも「ニュース」であるかのように殊更に取り上げて、コメンテーターがあれこれ意味づけしようとする傾向があります。
過剰な意味づけの傾向は、犯罪報道に限らないと思います。
(結局、犯罪も芸能も同じコメンテーターがコメントしているケースも少なくない)


まぁ、芸能ニュースに対する意味づけであれば実害はないですが、犯罪報道で安易な意味づけを垂れ流すと、社会に実害を及ぼす可能性があると思います。

報道機関がこのあたりに自覚的なのかどうか、疑問です。特にテレビの場合、情報を消費する人とその費用を負担する人が別で、そこをつなぐのが「視聴率」だという例の問題で、発信側はいっそう自覚的であるべきだと思います。

 
 
 
彼らが実際に語っている事 (juna)
2008-11-25 20:03:48
「物語化」に対して批判的なコメントが多いようですが、識者と呼ばれる人達のコメントは容疑者について述べているのではなく、実際は彼ら自身のフレームについて語っているのだと思うと結構面白いですよ。
 
 
 
Unknown (shousiminjp)
2008-11-25 20:13:53
ああ編者って誰かと思えば 大澤真幸ですか。
それは名前を出せば駄本とわかります(笑)
 
 
 
市場で表現すると (Unknown)
2008-11-25 20:32:39
世の中で発生する事象に対して必ず合理的な理由を
求めるのは市場の効率性に通ずるものがありそうです。
マスコミとしてはニュースに対して合理的な説明ができないことが自分達の無能につながると考えてしまうのかもしれません。アナリストしかりです。
世の中は全てが合理的に動いているわけではなく、(むしろそのほとんどが)合理的な説明が出来ない事象であることを認めて欲しいです。
 
 
 
マスコミ批判は感心しますが (異端経済学者)
2008-11-25 20:55:40
今回の記事で、マスコミの報道姿勢の稚拙さに対する記述には学ばせていただきましたが、犯人を“精神異常者”という安易なくくりで述べてしまう感覚には怒りを覚えました。池田先生は経済学が専門で、犯罪者の心理についてはそうは知らないはず。犯罪を起こす経緯には「理由」があって、犯罪を防ぐためにもこの理由を探る必要はあるはずです。犯罪者の精神状態が今回の主題というわけではないでしょうが。たとえ犯罪者についてであってもある程度公共的な場で論じる場合、礼節が必要。その礼節をわきまえていない今回の記述は私としては認められません。
 
 
 
まとめてお答え (池田信夫)
2008-11-25 22:23:32
似たようなコメントが多いので、ひとこと答えておきますが、「彼は胃癌だ」というのはOKで「彼は統合失調症だ」というと「怒りを覚える」のは理解できない。人権擁護と言葉狩りを取り違えるのはやめてください。あなたが認めようが認めまいが、統合失調症という病気は存在し、専門家も今回の容疑者はその疑いが強いと認めています。

http://www.j-cast.com/2008/11/25030913.html
 
 
 
Unknown (bob)
2008-11-26 08:58:17
ニュース等を聞く限りでは被害妄想の気もあり数々のトラブルを起こしているようなので、この犯人は統合失調症もしくはそれを発症し掛けている可能性は高いです。
「統合失調症だから解雇した」というような差別と「この犯罪の引き金は統合失調症による被害妄想・誇大妄想だ」と分析するのは全く別の問題です。むしろこのような犯罪で精神病などの問題に蓋をして論じることは現実から遠ざかるだけです。
 
 
 
「統合失調症」も安直な意味づけでは? (Inoue)
2008-11-26 12:31:12
 池田信夫先生、おっしゃることには大半同意いたしますが、「統合失調症のような疾患疑い」もまた、「キチガイだからどんなことでもするだろう」的な安直な意味づけに含まれてしまうんじゃないですか?
 わからないことは、わからない、判断停止をするのも、じゅうぶんに知的な態度だと思います。
 
 
 
精神病に対する差別感情 (コマンダーデータ)
2008-11-26 13:39:12
「ある行動をした人間は、精神病(統合失調症はその1例)の可能性が高い。」
と述べると、「差別だ」と騒ぐ人は多い様です。
差別意識を持っているのは、「差別だ」と騒ぐ
側です。

例1)児童買春(日本では援助交際)に関係した児童は厳罰に処すべきである、といったような児童買春の現状を無視した厳罰主義の容認(児童買春に限らず、買春に関係する女性には、精神病、あるいは精神障害の疑いがある者がかなりの確率で含まれており、これを厳罰主義で改善できないのは自明である)。

 という部分が、
「セックスワーカーを精神病、もしくは精神障害者扱いしているので人権侵害、もしくは差別にあたる」
 などという代物だったのです。しかも、この批判にはかなりの数の賛同者がいる模様で、本人たちは本気で私の発言を差別だと思っているようなのです。

すげえ。
精神病にかかった人には、人権がないんですね。

 精神病にかかった人は、差別対象になっても仕方ないんですね。

 私は単に買春行為に従事する人達は心を病んでいる割合が高く、そういう人たちの病は法律では治せないから、厳罰化で買春が無くなるという発想には無理があるし、また厳罰化が無意味であるという意見は(法律は薬品でもカウンセリングでもないのだから)自明である、ということが言いたかっただけだったんですが、まさか自称反対派にこれだけ精神病差別主義者が含まれているとは思ってもいませんでした。

http://web.archive.org/web/20030105010353/rosf.net/column/jidou/karma.htm
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-11-26 15:15:35
「意味づけ」を理解していない人が多いですね。
社会構造的なものであるか、個人の偶発的なものであるかの違いがわからないんでしょうか。
 
 
 
統合失調症の (Unknown)
2008-11-26 15:52:32
診断は難しいです。

一回の診断ではわからない場合も多いです。

この手の犯罪が起きるとすぐ統合失調症だの
自己愛性パーソナリティ障害と即断するのは
いかがなものかと思います。
 
 
 
大変ですね (tks)
2008-11-26 23:35:14
過剰な意味づけを批判し、別の原因を疑ったほうがいいだろうという主張が、別の原因の即断と捉えられる人もいるようで困ったものですね。
 
 
 
Unknown (misasa)
2008-11-26 23:39:35
動機や容疑者の人物像を聞いてこの事件に対する興味が一気になくなり、それゆえコメントをするほどの事件でもないと考えていました。
訳の分からない動機や日頃の行動を聞き、精神的な疾患や脳に何らかの異常があると考えるのは、ごく自然な感覚であると思います。
むしろ容疑者の家族に対するマスコミの取材などをみていると、そういった判断をすることが必要であるとすら感じます。
精神病であれば親の教育など関係ないでしょうし、誰だってなりうることであります。
それを思うと容疑者の父親に同情を禁じえずコメントしました。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-12-03 22:29:10
香山リカは反社会性パーソナリティ障害云々と言っていました。

すぐに決め付けるのはヤブ医者の典型です。

まともな医者はあまりマスコミに出ません。
 
 
 
一定の確率 (障害者支援カウンセラー)
2008-12-14 14:54:54
>精神異常者はどんな社会にも存在し、彼らは一定の確率で殺人をおかす。

「一定の確率」とありますが・・・具体的にどういう数字なのでしょうか?

精神疾患を患っている人が重大な犯罪(殺人・放火など)を犯す率は、健常者が犯罪を犯す率よりも「少ない」ことは、すでに統計的に立証されています。

当方は職業柄、身体・知的・精神の障害をお持ちの方(とそのご両親)とよくお話をさせていただくことがあるのですが、精神障害者の場合、圧倒的に「被害者タイプ」の方が多いです。子供のころから集団いじめに慢性的に苦しんできた人ばかりです。メディアが精神障害者の犯罪に報道規制をかけるようになった背景には(実名を伏せる・病名を出さないなど)、国内の障害者団体の根気強い闘争の歴史があります。

個人的には統合失調症の患者さんたちは、(1)健常者の何十倍も繊細で、(2)こちらが驚愕するほど純粋で、(3)「他人を利用する」など考えたことがなく、(4)ほとんど神の目から見て「いい人」が多数派であるという印象があります。

2006年「障害者自立支援法」の中で、はっきりと国が認めているように、戦後の日本における障害者の療育・支援において、身体・知的障害に対して、精神だけが(諸外国と比較して)非常な遅れをとっています。全国670万人の全障害者のうち330万人が精神障害者であるにも関わらず、です(しかも年15万人以上のペースで増えています)。


 
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