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It's Baaack?


けさの朝日新聞に、クルーグマンの記者会見が出ている。いつも彼がコラムで書いているように巨額の財政出動を求めるものだが、これは危険な政策だ。図(棒グラフが経常収支、折れ線がドル/円)のようにアメリカの経常赤字はGDPの6%にのぼり、このインバランスが今回の金融危機の原因となったからだ。彼は、1998年に"It's Baaack!"と題する論文で、
伝統的な見方では、流動性トラップに置いて金融政策は無力で、財政支出の拡大だけが唯一の出口、ということになるけれど、これは考え直すべきだ。もし中央銀行が、自分たちは無責任になり、将来はもっと高い物価水準を目指します、ということを信用できる形で約束できれば、金融政策もやっぱり有効になる。
と主張した。これに日本の「リフレ派」と称するエコノミストが唱和して、日銀が異常な金融緩和を行ない、それが円キャリーを誘発してアメリカのバブルの一因となった。それなのに今回は同じ状況でインフレ目標を提案しないで、かつて「やけくその政策」とバカにした財政政策を推奨するのはどういうわけか。彼の議論が機会主義的で一貫性を欠くのは今に始まったことではないが、学者ならかつての自分の提案が間違っていたことを認め、それが日米の経済に少なからぬ悪影響を与えたことを謝罪してほしいものだ。

アメリカが財政赤字を拡大して経常収支の不均衡が大きくなると、ドルが暴落して世界経済がさらに不安定になるリスクが大きい。自国の景気回復のために保護主義で他国を犠牲にする政策が、かつて大恐慌を拡大した原因だった。おまけにクルーグマンは、GMの救済まで提案している。またポストがほしいのだろうが、オバマはこういう「無責任」な人物を政権に入れるのはやめてほしいものだ。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (ただの経済学好き)
2008-11-17 23:20:05
>おまけにクルーグマンは、GMの救済まで提案している。

池田先生はGM破綻のショックの度合いをもうご存知なのですか?こうも簡単にGM救済を否定できるものなのですか?
 
 
 
朝日新聞の訂正 (池田信夫)
2008-11-18 07:27:32
18日の朝刊で、この記事の訂正が出ています。

<完全雇用を示す失業率(自分に合う仕事を見つけようとするための失業などを除いた失業率)は5%>

は誤りで、

<完全雇用を示す失業率(自分に合う仕事を見つけようとするための失業などを除けば失業がない状態)は5%>

だというが、これも間違い。自然失業率は「完全雇用を示す失業率」ではなく、「自分に合う仕事を見つけようとするための失業率」です。朝日新聞は財政政策を発動せよというキャンペーンを張っているが、この程度の経済学の知識を(記者もデスクも)もっていないのに、経済政策を語るな。
 
 
 
補足 (池田信夫)
2008-11-18 13:36:26
TBにも書かれているが、クルーグマンがこの記事の質問に答えています(日本語が読めるわけないが)。

http://krugman.blogs.nytimes.com/2008/11/15/macro-policy-in-a-liquidity-trap-wonkish/

This misses a key point that I and others tried to make for Japan in the 90s and are trying to make again now: creating inflation is easy if you’re an irresponsible country. It may not be easy at all if you aren’t.

要するに、日本では(アメリカでも)無理だということを認めたわけです。しかし、それに代わって彼が提言する財政支出は、もっと無責任な政策です。こういうとき国際的な影響を考えないのは、政治家も経済学者も同じ。かつての「インタゲ」論議が日本国内のことばかり考えて、結果的にグローバルな過剰流動性を作り出した愚を繰り返してはならない。
 
 
 
Unknown (jayo2008)
2008-11-18 19:51:22
お金を使うことばかり考えて、借金はどうでもいいとみんなこぞって言っているのには呆れますが、それもアメリカです。

中国、中東が、輸出や石油を元手に、米国債をいままでどおり買ってくれると思っているのでしょう。ドル基軸を支持しているのは日本だけ。将来の混乱を暗示してます。

しかし、日本は国内で議論もせずにドル基軸を支持して良かったのですかね。


 
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