
このところ、優れたドキュメンタリー映画が次々と公開されています。「ヤング@ハート」も、そのうちの一本です。アメリカ・マサチューセッツ州の小さな町ノーサンプトンに、1982年、“やんちゃな年金生活者たち”と評される“ヤング@ハート”と呼ばれるコーラス隊が誕生しました。一年たった'83年には町で一番魅力的な劇団ノー・シアターの協力を得て初公演を行い、4回のショーを完売してしまうほどの大成功を収め、1997年から2004年にかけてヨーロッパ、オーストラリア、カナダなど“ロード・トゥ・ヘブン”という公演を成功させ、大反響を呼びました。
映画は、このコーラス隊の練習風景、隊員の私生活、公演での演奏を見せてくれます。平均年齢80歳のおじいちゃん、おばあちゃんが発声から始めます。最初はおぼつかなかった発声が、レッスンをつづけるうちに、こんなにも声が出るようになるか、というほどの声量になってくる楽しさ。普通、この手のコーラス隊が取りあげる楽曲は民謡、宗教曲(讃美歌、ミサ曲)などでしょうが、このコーラス隊はアウトキャスト、ジミ・ヘンドリックス、レディオヘッドなどのロックンロール・ナンバーを大声で歌い上げるのです。振付をつけ、身体を動かし、癌を患って3回も手術をした83歳のジョー、86歳のレニーはレッスンの時、いつも歌詞を忘れてしまうが、本番ではうまくいくのか、という、ちょっとしたサスペンスも面白い。“老い”というのを目の前にして、なおかつ、歌を歌う楽しさを見せてくれる老人たちから、我々は“生きる力”をもらえます。
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