おすぎのシネマ言いたい放題

映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このブログのなかにある!

プロフィール

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おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。
テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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チェ 28歳の革命

おすぎ

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 暮に、スティーブン・ソダーバーグ監督とベニチオ・デル・トロが来日し、インタビューさせていただきました。そう「チェ」が公開されるからであります。「チェ」は2部作となっていて「28歳の革命」がパート1、これを3週間公開したあとパート2の「39歳 別れの手紙」を3週間公開する予定になっています(シネコンでの上映だとパート1、パート2と連続上映という可能性もありますが…)。
 
今週は「チェ/28歳の革命」についてであります。パート1と2とどっちが好きか、と問われれば、私はパート1の方が好きです。というのもソダーバーグらしい構成の仕方をしているからです。「オーシャンズ11」以来、なんとなく彼はエンタテインメントの監督ととられがちでありますが、從来は「トラフィック」のようなハードな映画を撮る人なのです。今回、チェ・ゲバラというTシャツの柄でしかしらないだろう人たちに見てもらうために作った映画としては、「28歳の革命」はワクワクするようなテクスチャーになっています。まず1964年のニューヨーク、国連総会の演説からのオープニングです。そこからカストロと出会い、メキシコから82人の兵士とグラマン号に乗ってキューバに入り、2万人の政府軍と戦う様へと展開していきます。そしてサンタクララを占領、ハバナに向って前進という具合に革命成功へという希望に充ちた人生の前半、喘息を患いながら兵士を指揮していく姿。ゲバラの格好良さに惚れ惚れする一作です。
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■「チェ 28歳の革命」劇場・作品情報はコチラ
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ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー

おすぎ

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 お正月に“ダークファンタジー”の傑作をご覧あれ!!3年前公開された「ヘルボーイ」の2作目「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」がお目見えであります。ナチスの手で、この世に呼び出された悪魔の赤ちゃんは“ヘルボーイ”と呼ばれ、超常現象捜査防衛局“BPRD”のスペシャル・エージェントになりました。一作目はマイク・ミニョーラの原作コミックをギレルモ・デル・トロが映画化しましたが、今回はギレルモが「パンズ・ラビリンス」を撮影中にミニョーラとストーリーを練りあげた映画用のオリジナル・ストーリーなのです。
 
今回は化け物のマーケット(ニューヨークのど真ん中にあるのですぞ)にヘルボーイたちが侵入するという、もうファンなら涙を流すに違いないシーンが用意されています。40近いクリーチャーのデザインをギレルモ自身がやったと自慢していました。私が「スター・ウォーズ」のバー・ラウンジでのクリーチャーたちへのオーマージュですかと聞いたら、「あのシーンには同じクリーチャーが沢山出ていたけれど、うちのには、どれひとつとっても同じものはいない」と言っていました。

今回は“闇の王国”の王子が人間世界を絶滅するために、封印されていた絶大な力を持つ“ゴールデン・アーミー”を出動させようと企むのです。それに対してヘルボーイ以下“BPRD”が、どう防衛するのか…。もう見ている最中は総ての現世を忘れて映画の中に入っていける傑作であります。大満足!!。
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■「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」劇場・作品情報はコチラ
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おすぎが選ぶ2008年映画ベスト10

おすぎ

★洋画部門
つぐない
@つぐない
評:驚愕の展開、途中からダムが決壊したくらい泣きました。

A12人の怒れる男
評:S・ルメット版を越えて美事な出来栄え!!

Bバンク・ジョブ
評:事実を推理して、なお痛快な出来に脱帽!!

C君のためなら千回でも
評:少年の頃と大人になった日の因果関係の作り方に感動

Dいつか眠りにつく前に
評:M・ストリープとV・レットグレーブの顔合せだけで満足!!

E永遠のこどもたち
評:スペインの“ダークファンタジー”の新しい担い手に拍手!!

★日本映画部門
ぐるりのこと。
@ぐるりのこと
評:間違いなく今年の最良の収穫。

Aおくりびと
評:モックンの端正な所作に感動。

Bクライマーズ・ハイ
評:原田監督、初めての秀作。堤クン、堺クンの好演も○。

C次郎長三国志
評:雅彦ちゃんの才能に、またまた感心。キャスティングの妙を楽しみました。

 ここではベストに入れたくても漏れたものを中心に書きます。
バンテージ・ポイント」の作りのうまさに感心し、「魔法にかけられて」の、アニメを逆手にとったアイディアにド肝を抜かれ、文句なく楽しみました。「最高の人生の見つけ方」のジャック・ニコルソンの、クサイが、キッチリと演じるという姿勢に敬意を表し、「ジュノ」の高校生の妊娠に現代を感じ、「イースタン・プロミス」で私の知らないロンドンを知りました。「赤い風船」は40何年振りの再会で、「白い馬」と共にCGの無かった頃、これだけのファンタジーを撮りあげたラモリスに今さらながら頭が下りました。「カンフー・パンダ」はパンダが好きではなかった私に興味を持たせてくれただけでも感謝をしなければならない映画でした。
おバカキャラがブレークした今年の中で「俺たちダンクシューター」のアッケラカンとした笑いは嬉しかった。
ドキュメント映画は2本あります。「ヤング@ハート」平均年齢80歳のジイさんバアさんのコーラス隊に生きる勇気をもらいました。「ザ・ローリング・ストーンズ/シャイン・ア・ライト」マーティン・スコセッシの人柄と、その演出力、その編集の美技に酔い“R・S”のメンバーの姿は変わっても少年のような表情と心情に拍手を送ります。ラストの、カメラがニューヨークの夜景を撮るシーンのユーモアは何時までも忘れないでしょう。

さて、私のベストの中に入れてませんが、この年に見られたことを感謝しなけれいけない作品に「潜水服は蝶の夢を見る」があります。何故、これをベストの中に入れなかったかというと、この作品は映画という域を越えているからであります。左の瞼しか動かなくなった男が、コミュニケーション方法を見つけ、いや、周りの人間たちの中に、飛び抜けて優秀な人間がいて、主人公の元編集者と、コミュニケーションを取るために多大な努力をしたこと、それによって彼が、一冊の本を出版したこと、それを映画にしようとした連中、言葉にも出来ない行動力と決断、頭が下がる、というのはこのことでしょう。見ている間、楽しいところは一ヶ所もありませんでした。マックス・フォン・シドー演じる父親がヒゲをそるシーンのジョリジョリという音、言葉を交わすことの出来ない父親との電話、気がつかないうちに涙が頬をつたっていました。試写室が明くなった時“これが映画か”と自分に問いました。観たのだから映画なのでありますが、人間の力の無限さを知りました。色々な映画が存在しても当り前なのですが、人智を越えたものを果して映画といっていいのか…。だから別格にしました。
潜水服は蝶の夢を見る」まではいきませんが、同じようなテクスチャーを感じた映画に「イントゥ・ザ・ワイルド」がありました。ショーン・ペンの心の中が手にとるように判った映画でした。自然の中に自分を置いたら、きっと、このように喜び、怖れるだろうと…。今年も、映画に暮れ、映画に明けた年でした。

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ミラーズ

おすぎ

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 私がホラーやサスペンスものが好きということもありますが(別に出来は良くなくても一応は見ないと落ちつかないってことであります。その中で“うん、これはいい!!”というのがあれば、異常に嬉しくなってしまうのです)、キーファー・サザーランド主演のサスペンス・ホラー「ミラーズ」は一見の価値ありの映画です。ニューヨーク市警の刑事だったベン・カーソンは同僚を誤って射殺させてしまって職を失い、家族とも別居し、今は妹アンジェラのアパートに転がりこんでいる。家族との生活をとり戻したいベンが選んだ仕事は、ニューヨーク6番街にあるデパートの夜警だった。ただし、このデパート“メイフラワー”は5年前に大火災で焼け落ち、保険関係の法的手続き上の関係で取り残されたままのものだった。出勤初日に焼け跡に足を入れたベンの前に広がる光景は無残なものであったが、たったひとつ、今、作ったばかりの様に輝いている巨大な鏡があった。思わず吸い寄せられて鏡の前に立つベン。突然、ベンの身体を焼きつくすような激痛が走る。フロアに転げまわるベン。現実は、ただ転げまわっている姿なのに鏡の中のベンは火ダルマだった。このことがあってからベンの周りに不可思議な現象が…。
 
ひとつ、ひとつのエピソードが、それぞれ怖く出来ていますが、驚愕はラストであります。思わず“うまい”と口にしてしまいました。ラストまでシッカリみて、その美味さを味わって下さい。
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■「ミラーズ」劇場・作品情報はコチラ
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永遠のこどもたち

おすぎ

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 「ヘルボーイ」「パンズ・ラビリンス」でダーク・ファンタジーというジャンルを確立したギレルモ・デル・トロがプロデュースして、スペインの新進監督をデビューさせたのが「永遠のこどもたち」です。灯台がある岬の海辺に、30年前は孤児院がありました。
 その孤児院で少女時代を過ごしたラウラは、今は閉鎖された孤児院を買い取り、障害をもつ子供たちのためのホームとして再建するため、夫カルロスと息子シモンと移り住むことに…。古くて広い屋敷の中で7歳の息子は遊ぶ相手もいないため、空想上の友だちを作り名前までつけラウラに話すようになります。
 ホームのオープンを控えてシモンの相手にならなかったラウラの前からシモンが消えたのは、オープン前の入園希望のためのパーティーの当日だった。怪しい老女の訪門、広大な屋敷の中に突如響き渡る大きな物音、誰かに監視されているような気配。果してシモンはどこに…。空想上の友だちは、本当に空想だけなのか…。訪れた老女の正体は…。
 
 J・A・バヨナ監督の才気がキラキラ光ります。ドキッとする怖さの向うに見えてくる美しくも哀しいラストです。私は彼岸と此岸という考え方を持つ西洋人がいることに感銘を受けました。そして大いに泣いたのであります。
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■「永遠のこどもたち」劇場・作品情報はコチラ
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ワールド・オブ・ライズ

おすぎ

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 レオナルド・ディカプリオが大人になり、名優の兆しが見えてきました。リドリー・スコット監督の「ワールド・オブ・ライズ」で、CIAの工作員を演じているのですが、これがなかなかのものなのであります。私はディカプリオの童顔が、かなりの欠点であると思っています。「アビエイター」「ブラッド・ダイヤモンド」「ディパーテッド」とアカデミー賞ノミネートやゴールデングローブ賞など多数の賞を与えられるなど評価が高まっていましたが、今ひとつ胸にくるものがありませんでした。しかし、今回は素直に、いい俳優になったなあ、と感じました。特にラストのアップの時の眼の演技にはゾクッとくるものがありました。
 
 アメリカではヒットになりませんでした。今さらながら中近東でのCIAエージェントの話に、なんの新しさも無い、と判断された模様でしたが、ストーリー展開と無駄の無い絵作り、スピード感ある展開は、さすがリドリー・スコットで、少しもアキさせず、クライマックス突入時のあまりにうまい演出(テロ活動を指揮する組織のボスに会うまでの流れるような展開と“時間”という目に見えないものを的確に表現しています)にワクワク感さえ持ちました。若干、残念なのは、ラッセル・クロウがミス・キャストではなかったか、と思わせるところであります。
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■「ワールド・オブ・ライズ」劇場・作品情報はコチラ
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ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト

おすぎ

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 マーティン・スコセッシ監督+ローリング・ストーンズ「シャイン・ア・ライト」は、とても秀れたドキュメンタリーの音楽映画であります。ローリング・ストーンズを撮った映画は「ワン・プラス・ワン」「ギミー・シェルタ」などがありますが、今回のビーコン・シアターのライヴは、この映画のために一夜だけ公演されたものです。野外の大コンサートではなく、狭いステージで演奏するローリング・ストーンズを撮りたい、というのがスコセッシの考え方で、そのためにステージのセットも考え、18台ものカメラ、アームのついたもの、レール上を移動して録るカメラなどを駆使して、ストーンズのパフォーマンスに肉薄しました。
 
それに過去の彼らのインタビュー映像を挿入して(若かりし頃のミックやキース、ブライアン、ビルの姿を目にすることにより、今現在の彼らが、どんなに年齢というものと無関係であるのか、いや、老いているのは姿のみであることが明解に伝わる)出来上った映像は、まさにストーンズの集大成と言えます。そして、何より究極のライヴ体験をさせてくれる映画なのであります。ミックが若い頃と同じようにステージを所狭しと動きながら歌い、バディ・ガイと共演するキースの少年のような姿に大感激します。思わず顔がほころんでくるのを止めようがありませんでした。

ラスト、ステージが終り、彼らが楽屋口の扉を開けたところにスコセッシが立っています。そのあとの映像のなんと素晴しいこと。ラストのラストまで席を立たないで見て欲しい、絶対!!
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■「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」劇場・作品情報はコチラ
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1408号室

おすぎ

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 スティーブン・キングくらい自分が書いたものが映画化される作家も、そういないでしょう。そして、映画としても秀れているものが何本もある、というのも珍しいこと。あれだけの多作であるから当然かもしれませんが、「キャリー」をはじめ「シャイニング」「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」と、咄嗟に思い出しても何本も出てくるというのはそれだけ秀れた原作を秀れた監督が映画化している証拠でしょう。
 
そのS・キングの短篇小説“一四〇八号室”が映画化されました。映画「1408号室」は「バンデッタ」のミカエル・ハフストロームが監督し、ジョン・キューザックが主演したスリラー映画であります。“心霊スポット”をレポートして、その顛末を本にして出版しているマイク・エンズリン(J・キューザック)のもとに一枚の葉書きが届きます。ニューヨークのドルフィンホテルからのもので、そこには「1408号室には入ってはいけない」としか書かれていません。意気揚々とホテルに乗りこむマイク。応対に出てきたのは支配人のジェラルド(サミエル・L・ジャクソン/今回は見る所、ほとんど無し)で、「あの部屋はヤメた方がいい。宿泊した56人の客が総て自殺しているし、自殺以外にも22人が自然死した。これまで1時間持ちこたえた人はいない」と言う。が、マイクは1408号に泊ることに…。

まあ、映画を見てください。よくまあ、これほどの恐怖を考えてくれます。壁に掛けてある海の絵が突然、時化になって、その絵をステッキでたたくと海水が部屋の中に溢れ、溺れてしまい…とか、妄想でも、病気でもない本格的スリラーをどうぞ!!
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■「1408号室」劇場・作品情報はコチラ
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BOY A

おすぎ

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 原作者のジョナサン・トリゲルが小説のタイトルにした「BOY A」は日本の事件報道からヒントを得たものだそうです。そう“少年A”という、あの呼び方であります。映画「BOY A」は、そういう風に聞くと“少年犯罪者”の話なのか、と想像してしまいますが、まったく、そのままの話でなく、なかなか“ヒネリ”を効かせているストーリーになっています。オープニングは淡い光の部屋の中で会話している中年の男と青年。男はソーシャルワーカーのテリー、青年はジャックと呼ばれる24歳で、今までの人生のほとんどを一般社会から隔離されて過ごしてきた若者。そうジャックは少年時代、フィリップという友人と“悪魔の少年”と罵られるほどの事件を起こし、刑務所に入っていたのだった。テリーから「過去の君は死んだ」と言われたが…。少年犯罪人が出所し、名前を変えて社会復帰をする姿を描いた作品であります。“悲劇”と言っていいでしょう。ストーリーの始まりが、十字架を背負って新しい人生に立ち向うわけですから…。職場の中で友人を作り、恋人との交わりも築きあげ、交通事故で死にかけた少女の生命を助けたジャック…。しかし、社会の目は彼をやさしく見守ってはくれなかった。
 
 少年の頃のエピソードを巧みに今とリンクさせながら、さらなる悲劇を展開させていく美事な作り方…。どこまでもやさし気な映像、そして、ジャックを演ずるアンドリュー・ガーフィールドのナイーブな演技を驚くほどの素晴しさで見せてくれます。A・ガーフィールドを見るだけでも充分な作品です。
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ヤング@ハート

おすぎ

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 このところ、優れたドキュメンタリー映画が次々と公開されています。「ヤング@ハート」も、そのうちの一本です。アメリカ・マサチューセッツ州の小さな町ノーサンプトンに、1982年、“やんちゃな年金生活者たち”と評される“ヤング@ハート”と呼ばれるコーラス隊が誕生しました。一年たった'83年には町で一番魅力的な劇団ノー・シアターの協力を得て初公演を行い、4回のショーを完売してしまうほどの大成功を収め、1997年から2004年にかけてヨーロッパ、オーストラリア、カナダなど“ロード・トゥ・ヘブン”という公演を成功させ、大反響を呼びました。
 
映画は、このコーラス隊の練習風景、隊員の私生活、公演での演奏を見せてくれます。平均年齢80歳のおじいちゃん、おばあちゃんが発声から始めます。最初はおぼつかなかった発声が、レッスンをつづけるうちに、こんなにも声が出るようになるか、というほどの声量になってくる楽しさ。普通、この手のコーラス隊が取りあげる楽曲は民謡、宗教曲(讃美歌、ミサ曲)などでしょうが、このコーラス隊はアウトキャストジミ・ヘンドリックスレディオヘッドなどのロックンロール・ナンバーを大声で歌い上げるのです。振付をつけ、身体を動かし、癌を患って3回も手術をした83歳のジョー、86歳のレニーはレッスンの時、いつも歌詞を忘れてしまうが、本番ではうまくいくのか、という、ちょっとしたサスペンスも面白い。“老い”というのを目の前にして、なおかつ、歌を歌う楽しさを見せてくれる老人たちから、我々は“生きる力”をもらえます。
 
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■「ヤング@ハート」劇場・作品情報はコチラ
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