2009年01月03日

コンピュータは2進法が効率的でとかいう話、続き

Posted by nene2001 at 10:53 / Tag: 数学 電子回路 / 0 Comments / 0 TrackBack / Google Maps このエントリーを含むはてなブックマーク

なんか、続いてますよ。

ツリー構造、もう1つの答 - 悪魔の妄想(以下、今回の引用記事)

新たに出てきた本論は、もう前のエントリのアホくささにあきれたので読んでないのですが、

今回の引用記事:

ちなみに、e進法というのは私がオリジナルに考え出したアイデアではありません。
エントリー中で紹介した以下のページにも、よく見ると書いてありますよ。
* 三進法のコンピューターが、二進法のコンピューターより優れた点は?
>> http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2083198.html
「原理的にはe=2.718・・・進法のコンピュータが最も効率がいいそうです。」
実は、私も以前「原理的にはe進法」という結論のところだけ、小耳に挟んだことがあったんです。
でも、なぜそうなるかという説明まではなかった。 そこで、なぜそうなるかという理由を自分なりに考えて、導き出したのが「ランプ」だったのです。
実際のところ「e進法」に、どれほどの妥当性があるのか、私にも計りかねます。
おそらく「e進法」の言い出しっぺは、回路設計者の視点に立って、このことを言ったのだと思います。

おいおい...前のエントリでは「根拠」と書いておきつつ、今回のエントリでは「妥当性は私にも計りかねます」だってよ。
だったら「根拠」とか書くんじゃなく、最初から「出だしから全部未検証の妄想です」「もしかしたら...なのでしょうか」と書いておけよ、そしたらそういう目で読むんだから。
「「原理的にはe進法」...小耳に挟んだことがあった...説明まではなかった...理由を自分なりに考えて、導き出したのが「ランプ」」って、それって答え(らしきもの)を最初から知っていて、それにあわせて答えを導き出す式を適当に作ったってことじゃねえか。
たまたま同じ答えが出たからって、考え方の筋道が頓珍漢な論証には何の意味もないぞ。
例えていうなら「ロケットAの表面積を電車Bの全長で割ったら円周率πになりました、両者には何らかの自然の摂理による関係があるに違いない」と言ってるのと変わらない。

ちなみに、「原理的にはe進法」云々について代わりにググってみたよ、そしたらこういう記事が見つかった。

e進数

ここで、N 進数における x の表現効率 y を、

y = N * d = N * LogN(X)

と定義する。y が小さいほど効率が良いとする。

# y の妥当性の由来は N 進数 d 桁の計算回路の規模は y にほぼ比例すると考えてる
# ためだ。 もちろん、 「少なくとも N レベルを瞬時に扱えるの非線形性を持つ素子を
# 使わない」というお約束はある。どうしても納得できなけりゃ回路を作って見る事だ

これなら判る。
「ランプで表示」といった表示のコストではなく、計算回路の複雑さを理由に採っているし、また「Nレベル...素子を使わない」「納得できなきゃ回路を作れ」という時点で、N状態素子と言った架空のデバイスを考えずに既存の実現可能なデバイスを使うことを前提にしている。

今回の引用記事:

ランプでe進法、というお話は、もちろん絶対の真理ではありません。
もし頭からそう信じていた人がいたら、(前提)、(仮定)を問う習慣を付けよう。
そもそも「最も優れた進数」というお話に、唯一絶対の答なんて無いんです
なぜ無いのか。 それは、(前提)、(仮定) によって答が変わってくるからです。
設問の立て方が悪くて、あいまいで、(前提)、(仮定)が1つにビシッと決まっていない。
なので、いくらでも妄想を繰り広げる余地があるんですねー。

いやいやいやいやいやいやいや。
マジ、こいつ頭大丈夫か?
その、「前提」「仮定」の時点で、前回の記事では、

なぜコンピューターは2進法で、人間はそうでないのか - 悪魔の妄想(以下、前回の引用記事)

よく「2進法はONとOFFだけなので、実際に電気回路を作るのが簡単だから」という説明が為されています
でも、電気にはプラスとマイナスがあるのだから、 プラス、マイナス、ゼロの3つを使った3進法の方が、ひょっとしたら効率的ってことはないですかね

と言う形で、しょっぱなで多状態素子の存在を否定しない旨の記述がされている。
そうすればそれを「前提」「仮定」として読むのが当然であるにもかかわらず、いきなり次のセンテンスで「「点灯するか、消灯するか」の2状態しかないランプを使って、数字を表すことを考えてみましょう。」等と、2状態素子を使って立論しようとしているから、突っ込まれているのだと思いますが?
少なくとも、前回の記事で、自ら立てた「前提」「仮定」に従っていないのは彼の方であって、にも関わらず「前提・仮定によって答えが変わってくる」とかアホかと。

ついでに前の記事も、根本のところで馬鹿丸出しだったので精査して読んでなかったけど、細かく読めば無茶苦茶。
数式を使っているにもかかわらず、書いていることの前後が一致してなかったり。
例えば、

前回の引用記事:

例えば999までの数を...10進法では27個のランプが必要です。
 ......
たとえば1000を表すのに必要なランプの数は、 10進法では 1000 = 10 ^ 3 と考えて、10 * 3 = 30 個です。

999までを表すのに27個ランプが必要なのに、1000だと30個ってなんじゃそりゃ?
999までのランプ+その上の桁を表すランプ1個、と言う意味だったら28個だろうし、その上の桁も全状態を用意するのであれば9 * 4 = 36個であって、どこをひっくり返しても30個と言う数字なんて出てこないのですが?

=========

まあ、いろいろ妄想を繰り広げるのは自由だし、そういう妄想から新しい創作のアイデアとか出てくるわけだから否定もしないけど、自ら述べた仮定や前提には忠実に、また数式とか使うならもっと注意深くなろうよ。
また、妄想だったら妄想とちゃんと判るように書こう。
どこかで聞いた答えっぽいものに、無理やり同じ答えが出るように思考過程をこじつけた、因果を逆に辿れば矛盾だらけのできの悪いレポートレベルの考察を、「根拠があります」等と事実のように書くのはやめよう。
大量のはてブをつけた人達、半数方は書いてる内容そのまま信じちゃってるよ、多分。

=== 追記 ===

前のはてブに、おもしろいツッコミがあった。
精読すれば、確かにそう。

はてなブックマーク > なぜコンピューターは2進法で、人間はそうでないのか - 悪魔の妄想

motemen 最後に "2進法の方が回路作りがシンプルだったので" とか書いちゃうとそれまでの考察が台無しに見える…。

確かに、前のエントリの出だしは、

前回の引用記事:

なぜコンピューターは2進法を採用しているのでしょうか
よく「2進法はONとOFFだけなので、実際に電気回路を作るのが簡単だから」という説明が為されています。
でも、電気にはプラスとマイナスがあるのだから、 プラス、マイナス、ゼロの3つを使った3進法の方が、ひょっとしたら効率的ってことはないですかね

という形で、なぜ2進数なのか、他の進数では駄目なのか、という問いかけの中でも、特に3進数について、もしかしたら電気の特性から言って2進数より効率的なんじゃないの?と設問されています。

で、ずっと考察してきた結果(その考察自体がグダグダなのはこれまで述べてきたとおりですが)、結論として出てきたのが「e進数」で、現実的には「2進数」か「3進数」、つまり最初の設問での対比に戻ったわけです。
である以上、最初の設問で「3進数の方が電子回路的には効率的になるのでは?」と自分で設問しているのですから、ここで本来は「2進数」が「3進数」に電子回路的に勝る理由をきっちり説明する必要があるはずなのですが、その肝腎のところをこの記事では、

実際には、2進法の方が回路作りがシンプルだったので、 現在のコンピューターは(ほとんど)2進法を採用しているのです。

とか終わらせちゃってる。
ズコッとこけるしかなくて、それじゃあ、長々といったい何が言いたかったの?ということになる。
肝腎のところをそれで流しちゃうのならば、最初から、「電気にはプラスとマイナスがあるのだから、 プラス、マイナス、ゼロの3つを使った3進法の方が、ひょっとしたら効率的ってことはないですかね。でも実はね、2進数のほうが回路作りがシンプルなんですよ。以上。」で終わってればよかったじゃん。

というわけで、結局最後まで何が言いたいのかよく判らない記事でした。

アイヌリンク:

アイヌ民族尊重へ「宣言」 道が策定検討 差別の歴史直視

道は一九七四年以降、「ウタリ福祉対策」や「アイヌの人たちの生活向上に関する推進方策」を策定し、アイヌ民族政策の指針としてきた。こうした施策中心の指針に対し、「宣言」は、明治期以降の国の同化政策で民族の社会・文化が破壊され、差別と貧窮を余儀なくされた歴史的経緯を直視。民族の独自性を尊重する地域社会の普遍的なあり方をうたう内容を目指す。

2009年01月01日

コンピュータは2進法が効率的でとかいう話

Posted by nene2001 at 17:05 / Tag: 数学 電子回路 / 6 Comments / 0 TrackBack / Google Maps このエントリーを含むはてなブックマーク

何じゃこりゃ。

なぜコンピューターは2進法で、人間はそうでないのか - 悪魔の妄想

実は、2進法には数学的な根拠があります。
最も数少ない部品で数字を表すことができるのは「e進法=2.71828・・・進法」だからです。
「点灯するか、消灯するか」の2状態しかないランプを使って、数字を表すことを考えてみましょう。
例えば999までの数を、2進法、3進法、10進法で表してみたのが下の図です。
2進法では10個(×10:引用者追記)のランプ、3進法では14個(×)のランプ、10進法では27個(×)のランプが必要です。
2進法が最も効率的ですね。

 .........

1.実生活上2進法は不便。
実際に、ちょっとやってみれば分かりますよね。
1と0を、ずらずらずらーっと連続して書くのは、どう見ても無駄だし、間違いやすい。
数字の種類が少なければ、数字の桁数は長くなる傾向にある。
かといって数字の種類を増やせば、今度はその、たくさんの種類の数字を扱うのが煩雑です。
ということは、数字の種類長さの間で、最もよいバランスがとれることになります。

前者がコンピュータで2進数が使われることの説明、後者が人間が10進数を使う(というか効率的であるはずなのに2進数を使わない)説明らしいのですが、何のことはない、前者の説明での、ランプの横方向の数+1(前者の説明ではランプ全部オフが0なので)が後者の説明での数字の種類、前者の説明でのランプの縦方向の数が、後者の桁数を表しているだけで、両者は同じことを説明しているだけです。
同じことを説明しているにも関わらず、なんで結論が違うのでしょう?

ランプの数、とかもっともらしいことを書いてますが、そもそも当初からランプという「ON、OFF」しかない2進数に適した素子を使うという前提で話しているからそうなるのであって(2進数に適した素子を使うなら2進数がもっとも高効率になるのは当たり前)、数字の種類を一素子あたりの採り得る状態数桁数を素子数と考えれば、3状態を採り得る素子さえ使ったなら、2進数で処理すると10素子必要なのに3進数だと7素子ですみ、3進数の方が効率的になる。
1素子10状態を記録できるような素子が開発できるのならば、10進数で処理するのがたった3素子で処理できて効率的、というそれだけのことだと思うのですが。
実際には、こちらの方も書かれているとおり3状態の素子を作るのは製造的にも運用的にも困難が多い(いわんや10状態をや)ので、ON/OFFのビット素子が使われている(そしてそれこそが2進数が使われている理由)のだと思いますが、件の元記事の方は出だしの問題意識自体が

よく「2進法はONとOFFだけなので、実際に電気回路を作るのが簡単だから」という説明が為されています。
でも、電気にはプラスとマイナスがあるのだから、 プラス、マイナス、ゼロの3つを使った3進法の方が、ひょっとしたら効率的ってことはないですかね。

実は、2進法には数学的な根拠があります。

という形で、3状態を採り得る素子の存在可能性を否定せずに、しかしそれが使われずに2進数素子が使われる理由を数学的に説明しようとしています。
である以上、論証の中でも3状態素子の可能性を考慮して論証しなければならないにも関わらず、いきなり「2状態素子でもっとも効率的に表現できるのは2進数だ」等とそもそもの「3状態素子の可能性を否定した論証」をしてしまってるから変なことになってしまってる。
当初の疑問どおり、3状態素子を考慮していたなら、3状態素子ならもっとも効率がいいのは3進数という結論になり、にも関わらず3進法や3状態素子が利用されないのは数学ではない別の理由があるのだと結論付けられたはずなのですが。

=== 1/3 追記 ===

それはそれとして、ネイピア数eが2と3の間にあるということについて私も無根拠の妄想を爆発させれば、なんとなく最小の素数2つの間にそれが存在するという事に何か意味があったりするのかな、とか思ったりする。

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最近上記の本を読んだ(正確には、3分の1くらいしかまだ読んでないけど)のだけど、自然数全体の集合をn、素数全体の集合をpとした場合に、

黄金の鍵 

という美しい式が成り立つらしい(Πは全体の乗算を表す記号)。
いや、数学に関しては本当に無知なもんで、素数なんて暗号とかには使えて便利だけど、単にそれより小さい数に因数がないだけの単なる偶然の数の集まりじゃないの?ぐらいにしか捉えてなかったんだけど、まさか、自然数なんていう直感的といえばこれ以上直感的なものもないような数集合と、こんなきれいな関係が成り立つような数集合だとは思いもしなかった。

で、との関係は、まだ証明されていないらしいのだけど予想されている素数定理というのがあるらしくて、π(N)というのを自然数Nまでに含まれる素数の個数を求める関数と定義すると、

素数定理
あるいは
 素数定理(改)

といった関係が成立すると予想されているらしい。

この辺の美しさから妄想すると、eが最小の素数2つの間にあるのは実はちゃんと意味があって、実はあらゆる素数、そして数の原理の秘密は2と3の間に詰まっている、みたいな形になったりしないのかな、とか妄想してしまいます。

アイヌリンク:

世界の先住民族団結 来春ネット設立 権利回復へ毎年サミット アイヌ民族主導

アイヌ民族と海外十一カ国の先住民族が参加した七月の「先住民族サミット」の元実行委員会メンバーが来春、世界の先住民族のネットワークを設立する。二〇一〇年にカナダで開かれる主要国首脳会議(G8サミット)以降、先住民族サミットと同様の会議を毎年開催する。権利回復を粘り強く各国首脳に提言していく考えだ。

2008年12月31日

『共通善は共有してはいけない』に一部解毒され、一部またもやもやした

Posted by nene2001 at 10:45 / Tag: 天皇制 社会 / 1 Comments / 0 TrackBack / Google Maps このエントリーを含むはてなブックマーク

共有されるべきは【悪】や【誤謬】(追記アリ - 地下生活者の手遊び

  1. 自分のして欲しいことを他人に施す
  2. 自分のされたら嫌なことは他人に施さない

両者の立場はともにダブスタを回避している点においては倫理的なものにゃんが、その中身はまるで違うものですにゃ。なぜかというと、Aの立場は自らと他者の間に【善】を共有しようとするものであることに対し、Bの立場は自らと他者との間に【悪】を共有しようとする立場といえるからですにゃー。

Aの社会はスバラシイ社会かもしれにゃーのだが、その【共有された善=共通善】を共有できない者にとってはきわめて抑圧的なものでありえますにゃ。宗教共同体なんかが典型例なのではにゃーだろうか。宗教共同体って、信者同士ではすんごく、きゃっきゃうふふ、していて楽しそうだけど、無信仰者はなかに入れずにつらいだろうし、それどころではなく具体的な不利益がもたらされることもありえるわけでしてにゃ。

  .........

もひとついっとくと、今の日本における最大の【共通善】は、たぶん天皇制でにゃーかな? まあ、この【共通善】はふわふわしていて厄介にゃんが。

なるほどなあ。
共通善は共有してはいけないか。
天皇制に関して自分の中で若干もやもやしたところがあったんだけれど、これで腑に落ちた。

もやもやしたところというのは、若干長くなるけど、

「天皇制是か非か」みたいな公理を争うような議論をする前に、「天皇制は是」とする立場の人って、「歴史と伝統を重んじる」という自身の公理に則って考えたって、同じ国民である沖縄やアイヌの歴史や伝統はガン無視という点で、矛盾というかダブスタを抱えてるよな、と考えてて。
自分の公理の元での論理矛盾やダブスタさえ片付けられない人々ともっと根本の公理的な部分を争っても益ないよなと思って、あえて国士な人々の公理に乗った上で、ダブスタを指摘してきたのが、この記事を始まりとする一連の記事だった。
ダブスタなく真摯に右翼たらんとすれば、天皇の祭祀にアイヌや沖縄の神々を加えるべきだという結論になることに対して、どう考えても普通の感覚では滑稽なトンデモ議論になってしまうわけだけれども、そのおかしさに気付いて自らの公理のおかしなところに気付いてくれればいいなと。
とはいえ、全くネタ記事だというわけでもなく、アイヌや沖縄の歴史や言語教育の保証なんかは、実際にそのようにならなければいけないわけだけれども。

ただ、今の右翼を自称している人々は「ダブスタだらけ」なわけだけれども、右翼が実際にダブスタなく「真摯に右翼たらん」とするならば(何度も引用したけど、朝鮮神宮祭神論争で韓国建邦の祖神も祀るべきと主張した当時の神道人のように、実際にそのように行動した人はいる)、天皇制は許容されるのか、というその1点が自分の中ではどう考えていいのか判らないまま残ってしまった。
もちろん、右翼の人がダブスタを解消したとしても、そこで初めて公理争いの議論に乗る資格ができるだけなので、それだけで「天皇制=是」となるわけではないのだけれども、右翼がその段階に達した(まあ、ありそうもないが)として、「天皇制是か非か」と問われた時に、感覚ではなく論理で「非」と言える根拠がないなあといったあたりが、もやもやしていたところだった。

その辺が解決したのが、冒頭の記事だった。
なるほど、ダブスタを解決する手段としても、共通善の共有はあってはならないわけか。

でも、一方で逆に引っかかる部分もあるのだけれど、

Bの社会は善意にあふれた社会ではなく、いわば相互の「好意的シカト」によって成りたっている社会であるといえるでしょうにゃ。都市的というか、自由主義的個人主義というか。ヒトによっては寂しいかもしれにゃーが、マイノリティに居場所のある社会でしょうにゃ。

というあたり、「シカト=無関心」という意味に採ると、私は在日の問題にしろアイヌの問題にしろ、社会の無関心が諸悪の根源のように感じているので、「好意的シカト」で社会が成り立つべきというのも、理屈は判るんですが直感的には違和感を感じます。
この辺は、どう考えればいいんでしょうかね。
まあ、上記記事にいただいたブクマでも、

  • fuktommy 社会 無関心である権利はあるはず。
  • kokogiko ↑fuktommky 個々人としてはそうでしょうが、社会全体として無関心がまかりとおっている状態が問題なわけです。そうならないための何らかの担保装置、教育なり政策なり或いは民間に任せるなら思想なり、が必要だと。

とかやりとりしたので、個人の選択の権利と社会としての責務を分けて考えればいいのかもしれませんが...。

アイヌリンク:

半生民族のために 白老で野村義一さん通夜

アイヌ民族の地位向上に尽くし、二十八日に九十四歳で亡くなった元道ウタリ協会理事長、野村義一さんの通夜が三十日、胆振管内白老町の白老斎場で営まれた。

野村さんは、三十二年にわたって道ウタリ協会理事長を務め、組織拡大に全力を挙げたほか、国連本部でアイヌ民族として初めて演説するなど、一九九七年のアイヌ文化振興法の成立や、今年六月のアイヌ民族を先住民族と認める国会決議へのレールを敷いた。

2008年12月27日

ケータイ位置情報ゲームにおいて、あるべき理想のマネタイズパターン

「ケータイ位置情報ゲーム」というゲームジャンルがある。
ケータイのGPSや基地局位置情報等を取得できる機能を使い、ある場所に来た記録をスタンプラリー的に競ったり、移動距離を競ったり、或いはそれらの値を変数に起こるイベントを楽しんだり、ユーザ間のコミュニケーションを楽しんだりといった類のゲームだ。
まだまだ市民権を得ているとは言えないゲームジャンルではあるが、一部ユーザの熱狂振り、そしてその行動力は驚かされる物がある。

あんてなめぇ」という、au/KDDIケータイで遊べる、個人運営のケータイ位置情報ゲームがある。
おそらく、ユーザ数規模は数千人規模のサイトなのだが、先日、参加者全員を6チームに分け、14日以内のチーム全員の累積移動距離で勝敗を決める、という期間イベントがあったのだが、非常に盛り上がり、参加者全員での総移動距離が56万5612.4kmにも達した。
実に地球14周分だ。
会員数はまず確実に3000人以下だと思うが、仮に3000人だとしても、アクティブユーザはだいたい50%程度として、1500人で56万kmを動いたとすれば、1人あたり380kmほど、14日で動いた計算になる。
確か、記録が残ってないのでうろ覚えなのだけれど、トップの人は一人で14日間に2万km近く動いていたはず。
地球半周、JRの全営業kmに近い距離を、別にトップになったからといって景品がもらえるわけでもない、コミュニティも小さなゲームの期間限定イベントのために動いている。
悪い意味ではなく、尋常でない情熱だ。

この手のゲームサイトで、マイナー分野とはいえ今大きいのは、「ケータイ国盗り合戦(13万人程度)」と「コロニーな生活PLUS(9万人程度?)」なのだが、先日、前者のユーザオフが新宿であったため、参加させてもらう機会があった。
国盗り合戦はぶっちゃけ簡単に説明すると、日本全国を600国に分けたスタンプラリーゲームなのだが、その場に50人ほど集まったユーザは、半数近くが既に600国を制覇したコミュニティ内では神のようなユーザであり、残りのユーザも最低でも3桁以上の国を盗っているようなコアなユーザの集まりで、私など参加するのが恥ずかしいくらいの場だったのだが。
その場でいろいろユーザから聞いたりした感じでは、もちろんどのような移動手段を使うか、等によっても違うのだけれど、全600国を制覇するには、だいたい60万円くらいの移動費や宿泊費が必要になるっぽい(国盗りは私は関係者でもあるので念のため書いておきますが、飽くまで公式見解ではなく、個人の私的試算です)。
その他いろいろなファクターを考慮に入れて私的試算を弾いてみると、オフに出られたユーザ方50人だけで、最低でも1500万円はこのゲームのために使っていそうな感じだ。
すごい情熱、パワーだと思う。

しかしここに、この種のゲームのジレンマがある。

ユーザはこの手のゲームを遊ぶために、すごいお金をつぎ込んでいるのだが、残念ながら今のところ、その投資が直接運営側に還元される経路がなく、お金はおそらくこの手のゲームの存在すら知らない、ガソリンスタンドであったり鉄道会社であったりバス会社であったり、旅館・ホテルであったりに落ちるばかりだ。
ユーザから見ればむちゃくちゃ金のかかるゲームであるにもかかわらず、運営側は無料ゲームと同じような状況で、マネタイズの方法に喘いでいる。
このままでは、いずれ双方が疲弊して共倒れになりかねない訳で、悪く言えば「Lose&Lose」の関係になってしまうわけだけれど、これは隠れたもう1つのプレイヤーにとっても不幸な状況だ。
つまり、今ユーザがお金を落としているGS・鉄道バス・旅館等で、これらは今この手のゲームが続いているために、知らず知らずの間に若干なりとも潤っているわけだけれども、これが双方息切れせずに続けば、その潤いが恒久的に続くわけだけれど、双方息切れしてしまえば、そこでオシマイ、となってしまう。
このままでは、「Lose&Lose&Lose」だ。

理想的には、本来はこの手のゲームサイトが喚起する移動需要や宿泊需要から、発生した移動費・宿泊費に対して、ゲームサイトが広告費を得られるような形になるべきだと思う。
例えば、

  • ゲームサイト上で、ユーザが遠征計画や遠征手段等を入力する。
  • システムは通常のルート探索だけでなく、お得なクーポンの使えるガソリンスタンドだとか、安い切符の使える鉄道ルート、宿泊計画等を含めて、最適な移動ルートをリコメンドする。
  • ユーザが遠征計画を決定し、クーポンやチケットを購入すると、それによって広告費がサイトに支払われる

とか、そのような形であるべきだと思う。
このような形になれば、

  • ユーザは安いお金で旅行が楽しめてWin
  • サイトはユーザの移動需要を喚起したという、サイトの本質的な特性からマネタイズできてWin
  • 交通・宿泊業者等は、継続的な需要を喚起できてWin

と言う形で、3者が「Win&Win&Win」の関係になれる。

今は、上のような仕組みがまだない状況なので、この手のケータイ位置情報ゲームサイトでも普通のケータイサイトのように、他の有料サイトの広告を張って成果を得る、といった形でマネタイズをせざるを得ず、それは過渡期として全く仕方ない状況だ。
しかしながら本質的には、ゲームのために移動に多大なお金を支払ってくれているユーザに対し、いかにマネタイズのためとはいえ、さらに他サイトに有料加入させて糧を得ようというのは、ユーザへの裏切り行為に近くなる(批判をしているのではなく、現状はそういう方法しかほぼないので全くもって仕方ないのだが、本質的にはそのような構造になる、ということだ)。
ましてや、この手のゲームサイトは、10歳から20歳代が中心の一般的モバイルサイトと違い、30歳から40歳、上は50歳代までも含む高年齢層が占めるという特性の違いもあるわけで(リンク先資料6ページ)、ということは加入させようとしているサイトはユーザにとって必要のないサイトである可能性が高い、ということになり、よりその傾向が高くなる。
やはり、将来的には、サイトの本質である移動需要の喚起そのものから、マネタイズできるようになるべきだ。

また、ここで述べている「移動需要の喚起からのマネタイズ」と似てはいるが非なる構造として、スポンサーをつけて、スポンサーの行かせたいところをゲームの目標に設定し、そこにユーザを誘導することでお金を得る、という構造がある。
これも、過渡期としては全く仕方がない構造で、そもそも理想的な「移動需要の喚起からのマネタイズ」構造を構築するためには、交通・宿泊業者等にこの手のサイトの価値を認識してもらう必要があり、そのためにはスポンサー主導でユーザを動かすことも必要な一過程ではあると思う。
ただ、このような構造は一時的には面白いかもしれないが、長く続くと、ユーザにはお金のためにいいように踊らされている、という感覚しか与えず、ユーザの離反を招きかねない。
やはり本質的には、どこに行きたいか、何を楽しみたいかを決定する主体はユーザであるべきであり、サイトやスポンサーはその手助け、スタンプラリーとして行ったことを証明したり、旅行の記録や思い出を預かったり、安く行ける手段を提供したり、そのような関わりであるべきだと思う。

====== 

的な事をちょっと前から考えていたのだが、最近「コロニーな生活PLUS」をやり込むうちに、別の選択肢もあり得る(というか、まさにコロプラが採っている戦略だが)のかなとも思い始めた。
それは、お金を使って派手に動いてくれる一部のコアユーザを徹底的に有利な立場においてサイトの中でスターユーザ化させることで、それほど派手には動けない大多数のユーザに「私も動けないなりに、同じようなレベルで楽しみたい」と感じさせ、そういう層にサイト内でお金を使わせるモデルだ。
実際、こう書いている私自身がコロプラを遊びつつ、忙しいし家庭もあるしでそんなに出歩けないのだけれど、派手に全国を飛び歩いているスターユーザ並に遊べるようになりたいと思い、それなりのお金をコロプラのアフィリエイトに投資してる。
このモデルだと、交通機関等にお金を払っているコアユーザは、コロプラ自体ではお金を払わなくても存分に楽しめるし、動かないユーザは、そもそもスターユーザのように移動に投資していないのだから、コロプラに投資させても別にユーザへの裏切りでも何でもない。
実に巧みでうまいなと思う。
さらにコロプラのうまいところは、ゲームに必要な通貨であるプラは基本的にリアル移動でしか貯まらず、後は所有するアイテムを売ったりといったユーザ間の売買でしか通貨は得られない。
リアル移動ではなくアフィリエイト投資で遊ぼうとするユーザは、直接通貨であるプラを入手できるわけではなく、アイテムを入手できるだけなので、プラを得ようと思うと、そのアイテムを売却処分してなんとかしてプラに変えなければいけない。
その意味で、どこまでいっても有利なのは実投資より実移動であって、この辺もスターユーザを優遇する、うまい構造ができている。
一方で、いくら実移動の方が有利だと言っても、昨日今日始めた動きまくるユーザが、何ヶ月もやっているあまり動けないけど実投資はしているユーザをあっという間に追い抜いてしまえばこれはまた面白くないわけだが、コロプラではこの辺の施策もうまく、最初は一日に移動できる距離や回数に制限があったりして必ずしもむちゃくちゃ動くユーザ有利にはなっておらず、続けていけばその制限をアイテムの効果等で撤廃でき、どんどん動くユーザ有利に持ち込むことができるようになっている。
つまり、今のスターユーザはその試練を乗り越えてきた、尊敬されてしかるべくのユーザというわけで、誰もほとんど不満を感じない、うまい階層社会がコロプラでは形作られている。

とはいえ、このモデルを成り立たせようと思えば、いくつか条件があって、まずほとんど動けずスターユーザになれない層からマネタイズしようと考える以上、ほとんど動けないユーザにとっても続けたいと思わせる、魅力的なゲームである必要がある。
実際にその場所に行かないと話が進まない、単なるスタンプラリー的なものでは構築できないモデルだ。
また、実移動有利という越えられない壁がある中で、ゲーム全体が何かの奪い合いのようなゼロサムゲームになっていれば、これは越えられない壁の内側にいる者にとっては不満たらたらになってしまうわけで、奪い合いではない、共に育てていく系のゲーム性でなければいけない。
この両者の条件ともコロプラは備えているので、採用できるマネタイズモデルではないかと思う。
計算尽くなのか偶然なのかは分からないけれど、実に神のようなゲームバランスだと思う。見習いたい。

アイヌリンク:

苦難の歴史明記へ アイヌ有識者懇、本格議論始まる

2008年12月22日

訃報 - アイヌ語研究者・魚井一由先生

数日前、北海道から喪中葉書が届きました。
受け取った家内は、数年前にもその方のお母様ご逝去に伴う喪中葉書を受け取っていたので、御父母のどなたかが亡くなられたのかと思っていたようなのですが、数日後よくよく見ると、ご本人のご逝去通知でした。

魚井一由先生

魚井一由(うおい かずよし、1947年 - 2008年)は日本のアイヌ語研究者。

魚井一由は國學院短期大学等でアイヌ語の教鞭をとった研究者。他に大阪外国語大学等でもアイヌ語、アイヌ文化の指導を行っていた。旭川医科大学ではロシア語担当講師でもあった。旭川市博物館のアイヌ語辞書編纂担当嘱託でもあった。
2004年に、従来は最大1000までとされてきたアイヌ語の数表現が、400万まであったとする資料を発見し、それまでの通説を覆した。

私は言語学畑の人間ではないので、言語学専門の家内を通じての付き合いで、一度お会いしたことがあるだけなのですが、破天荒で面白い方でした。
まだ結婚前に、家内の通っていた大阪外国語大学で、アイヌ語履修者及びOB/OGのフィールドワークに家内と参加させてもらい、アイヌの燻製技術を独自改良した魚井スペシャルの段ボール燻製法で、鮭の切り身の燻製や豚のベーコンを作らせてもらいました。
大量に作った切り身燻製やベーコンを、そのまま酒のつまみにしたり鍋にしていただきましたが、これまでに食べたことのない旨さで、また夜通しドンチャンしたにも関わらず食べつくせない量だったので、家にまで持って帰ったのも覚えています。
当時は家内と付き合い始めたばかりだったので、やたらいじられたのも記憶しています(笑)。

その後、家内も大学を出、私も家内も忙しくなったので、年賀状を送る程度のお付き合いしかさせていただいていなかったのですが、息子が生まれて何度か「北海道に行って魚井先生のところに遊びに行こうか」といった話も出、また私もようやく最近になって、アイヌ文化に関心を持ってきたので、また機会があれば一度先生と話がしたいと考えていた矢先のご逝去でした。

また、社会的にも、アイヌの先住民決議がようやく採択され、アイヌ語をはじめとするアイヌ文化への社会のコミットが進むであろう、その矢先の若すぎる死は、残念でなりません。

ご冥福をお祈りいたします。

2008年12月21日

Google未オルソ衛星画像にぶった切られた我が母校

Googleの衛星写真はオルソという処理がなされていないことは、以前の記事でも取り上げたのですが、その切れ目は割と綺麗に隠蔽されていて、どこで切れているのかよく判りませんでした。


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▲ 明らかに視線の異なる2つのビル ▲
でも画像の切れ目はよく判らない

上の写真だと、明らかに2つのビルの写された視線は異なるのですが、その切れ目がどこにあるのかよく判りません。
多分、ビルの間を通る道路の中間線とかでうまく隠蔽されているのでしょうが、なかなか見事なものです。
あと、記事を書き始めてから改めてチェックしたのですが、よく見てみると視点が「ここで切り替わって」いるのではなく、山手線を挟んで北側の街並みなんかと比較してみても、明らかに「上のビルの一角」だけ視線がおかしいです。
この一角だけ、後から違う視線の写真を補完したのかもしれません。
実は、この辺に住んでいるので知っているのですが、上のビルは比較的最近に出来たビルです。
地域全体の画像を置き換えずに、新しいビルに対応できるよう、一部だけ差し替えたのかもしれません。
だとすると、Street Viewの無チェック市街画像垂れ流しから想像されるイメージと違い、意外にGoogleは細かい衛星画像のメンテをしているのだなあと思いました。
上記の地図の中でも、右下の空き地のようになっている部分に、今は2つのビルと同じレベルの大きなビルがまた新たに完成しているのですが、もしかするとまたいつか、視線のおかしな新しいビルが、いつの間にか追加されている、という状況もあるのかもしれません。

でも、そこまで気をこめてメンテされているのは東京だけなのか、田舎の衛星写真を見ていて、ついにオルソの切れ目で潰されている建物を発見してしまいました。
こともあろうに、我が母校(笑)。


大きな地図で見る

上記地図の中央の中学校が我が母校なのですが、赤い線のすぐ右にあるベージュの建物、これが書道室や理科室、音楽室等が入っている校舎になります(在校当時の話で、今は違うかもしれませんが)。
が、上記の地図を、衛星写真で見てみると、


大きな地図で見る

なんか校舎の西半分ない(笑)。
見事に、視線の異なる未オルソ画像の切れ目にぶった切られています。
都会と違ってビルが少なく民家が多い中で、画像の切れ目があってもパッと見はほとんど判らないのですが、たまたま比較的大きな建物の端を切っていたために、気付いてしまいました。

...いや、何だと言われればそれだけの話なのですが、普段最初に紹介した例のように、綺麗に切れ目が隠蔽されている事例しか見つけていなかっただけに、切れ目見え見えのを見つけたのが面白かったという、それだけです。

アイヌリンク:

アイヌ語弁論で最優秀賞 大仙の中学教諭・田沢さん

「レタラ コーンソンテ(白い小袖に)」「レタラ ハーヨクペ(白い武具)」

今年の大会で発表した、「ユカラ」と呼ばれる英雄叙事詩の一節だ。「ヤイドレンペ コイキ(自分のつき神と戦う)」というユカラは、英雄が人間にとりついた悪い神と戦い、打ち勝つストーリー。アイヌは、ユカラを歌うときに「レプニ」と呼ばれる木の棒で、囲炉裏のふちをたたいて歌う。本番でもそれに習い、レプニで木の板をたたいてリズムを取った。詩の中に出てくる数々の対句が心地良く感じる。「耳にしたことのない言い回しばかり」と思ったが、通勤する車の中でCDを聴き、半年かけて覚えた。

AMNブロガーミーティング「ユビークリンク/全力案内!」に行ってきました。

AMNブロガーミーティングというのがあるらしくて、知人のhachimituさんが行けなくなったと言うことで代わりに言ってきました。
私はAMNってよく知らなくて、小飼さんとこにブログパーツとかはってあるのでアルファブロガーとかの限定サロンかな、くらいに思ってたのですが、なんかメーリングリストがあってそれに参加するとこういうイベント情報が流れてきて、自由に参加できるみたいですね。
まだ参加してないけど、参加してみようかなと思います。

で、今回代理参加したミーティングが、『株式会社ユビークリンクと携帯総合ナビゲーション「全力案内!」』。
割と業種が近いので、「全力案内」の名前だけは以前から知っていたのですが、これまではよく正体が判らない感じでした。
仲間うちでも、地図が無料化されたりナビタイムが台頭してきたり、そもそもキャリア自身がネイティブ地図やナビを付けてきて競争が厳しくなっているところに、後発でわざわざ参入してきて物好きな会社だな、的な空気しかなかったのですが。
でも、今回のミーティングを聞いて、ナビとか地図とかそういう既存プレーヤーがたくさんいる技術やコンテンツがコアではなく、道路情報という競合はVICSくらいしかいない新しいデータコンテンツをコアとして展開しようとしている、面白い&すごい会社でありサービスであることが判りました。

「ユビークリンク」は野村総研の100%子会社で、10人程度の体制だそうです。
で、全力案内というサイトのイメージから、ナビ技術の会社のイメージを持ってしまいますが、その実は、先にも書いたとおり交通情報コンテンツの提供元だそうで、その意味では道路交通情報通信システムセンターが出す VICS交通情報と競合するデータプロバイダのようです(その意味では、その後の懇親会でも話されていましたが、別に自分たちでサイトを立ち上げなくてもナビタイムにデータを売る等でB2Bで稼ぐと言う方向性もあり、それは全く否定していないそうなのですが、実際にデータを使う人の声に接したいということで、自分たちでB2Cを始めたとのこと)。

で、その持っている交通情報データと言うのが、全国主要都市で提携した10000台強のタクシーのリアルタイム位置データを元に生成した、各道路ノードのリアルタイムの流速データだそうです。

通常、VICS交通情報というのは、全国の総延長7万km程度の主要幹線に、公的機関が設置したセンサの情報を元に生成されるのですが、それでは全国83万kmに上る、生活道路を除いたナビに使える道路のうち、10分の1程度しか把握していません
よって、一般のVICS道路情報を使う限りでは、幹線が混んでいるか空いているかは判るのですが、混んでいるからと脇道に入っても、そこが混んでいるのか空いているのかは全く判らない、という状況に陥ります。
ドライバーへのアンケート等でも、渋滞に巻き込まれたドライバーが迂回しない理由を尋ねると、一番大きな理由は「迂回してもその先が空いているかは情報がなく判らないから」だそうです。

が、ユビークリンクの各タクシーについたリアル位置情報(そういうふうにして得られた位置情報を、ITS業界ではプローブ(探針)位置情報と言うそうです)では、実際にタクシーが走ったところがカバーしている道路になりますから、理屈上は全国83万kmの道路全てがカバー範囲になり得るといえます。
実際、ある瞬間のリアルタイムの流量情報把握カバー率を、3次メッシュ単位で%を出したところ、都心ではほぼ70-80%程度の把握率のようでした(もちろん、0%というところもありましたが)。

このような、「実際の自動車の位置情報=流れ」をプローブ把握して、VICS以外の独自情報としてナビに使おう、という発想は、各自動車/カーナビメーカ等も目をつけていて、ほとんど導入されている仕組みらしいのです。
が、ただ悲しいかな、そういう形でカーナビ同士の位置情報をプローブ把握しても、マイカーの利用は大抵土日に固まってしまい、稼働率も悪く、またマイカードライバーは大抵幹線を好んで走るので、情報が十分に把握しにくいそうです。
なので、一般カーナビ等ではプローブ情報を得てもリアルタイム利用はできず、「土日の何時ごろは混みがち、空きがち」といった統計情報しか使えないらしいです。

ですが、ユビークリンクのタクシーを使ったプローブだと、ほぼタクシーは24時間フル稼働していますし、プロのタクシードライバーは幹線にこだわらず脇道でも通るので、精度が高くリアルタイムに利用可能なプローブ情報を得られているようです。
実際に

  • ナビなし
  • VICSベースのナビ
  • リアルタイムプローブ情報ベースのナビ

を品川?日暮里間の11回試行で比較したところ、

  • 到達時間(他ケース比較12?30%短縮)
  • 到着時刻予測精度(平均4.6分、他ナビ11.3分。また、予測時間に対する誤差1割)
  • 燃料消費(最大19%、平均10%削減)

を、プローブ情報ナビは達成できたそうです。
特に、燃料削減が注目すべき点で、普通空いている道迂回と言うと、混雑を避けて回っていくので距離は長くなり燃料消費は多くなりそうなのですが、個々の混雑に出会ってから迂回ルートを探すのではなく、まず全体のルートから、もっとも空いているルートで計算するので、速いルートを選びつつ、かつ最短に近いルートで行けるそうです。

そのような独自データを元に切り込んできたユビークリンクですが、技術力以上に個人的にすごいなと思ったのは、実際にリアルタイムタクシー情報を集めてこれる体勢を作り上げたことです。
タクシーの位置情報が共通仕様のWeb-APIで公開されてる、みたいな状況では全くなくて、それどころか業界全体に情報を提供するよう強制できる業界団体のようなところすらなくて、個々のタクシー会社と個別に契約を結んで、地道に精度を上げていっている。
(もっとも、実際に交渉を担当された方ともお話したのですが、下手に牽制しあって意思決定が遅い業界団体とかと交渉するよりは、個別に交渉した方が動きがとり易い、とおっしゃっていましたが)
また、各タクシー会社で方式もプロトコルもデータ形式も違う位置情報管理システムから、データを収集する部分でもいろいろ苦労はあったんじゃないかと思います。
担当者の方はさほどの苦労でもないです、と言われてましたが、タクシー会社の担当はそんなシステムなんかに詳しくないので、各々の開発ベンダまで出向いて交渉しなかったりしなければいけなかったようですし、測地系だのDMS/度表記だの、異なるデータ形式をフィルタしてデータを集めているので、リアルタイム情報だけにそのディレイが馬鹿にならないとか、そういう話もされていました。
私も過去、データの配信プロトコルもデータ形式も違うプラントの各ベンダ各種制御機器からデータを収集し統計をとるシステムとか作ったので、情報提供してくれないベンダとの交渉の苦労や、物理インタフェースまで含めて異種データ間のインタフェースを作る苦労なんかは実感できます。

でも、個々のタクシーのリアルタイム位置情報を得ること自身は、既にタクシー会社各社程度の差はあれシステム化されていて、今のタクシー業界は、いかにすばやく顧客のいる場所に配車できるか、が勝負の世界になっているようで、システム化されていない業者は生き残れないような状況になっているとのこと。
昔のタクシーではよくうるさく通信が入ってきてたような、アナログ通信の音声での位置把握・配車はなくなって、デジタル無線とGPSでの位置把握・システムによる配車に置き換わっている。
むしろ、ユビークリンクの方が、当初プローブ統計情報が欲しくてタクシー会社にコンタクトしたところ、思った以上の業界システム化の現状を知って、これならプローブリアルタイム情報でもOKだよね、ということになったらしい。
私がまだ関西にいた6年ほど前は、住所を伝えても配車してくれなくて酷い目にあったりしたこともあったけど、随分時代は変わったみたい。

VICSという官製のトップダウン交通情報システムに対して、プローブ位置情報という草の根情報を集めて交通情報システムを作るという関係は、ちょうど位置情報で言えばGPSとPlaceEngineの関係みたいで、面白いなと思った。
官製システムが全域をくまなくカバーするのに対し、草の根システムがやはり草の根が多い都市部からの対応になるところも似ているし、(理由が違うので偶然とはいえ)草の根システムが対応しているところでは、草の根システムの方が正確な情報になるところも似ている。
これまでは天から降ってくるのが当たり前、と思い込んでいたいろんな情報も、視点を変えれば草の根的に補完できるものがもっとあるのかもしれず、それをいち早く見つけたのが、PlaceEngineやユビークリンクということになるのでしょう。
ただ、それを見つけ、実現するには、やれ今風の提供されたWeb-APIを机上で結びつけてマッシュアップ、とかそんな感覚では駄目で、ユビークリンクさんのように一つ一つタクシー会社を回って交渉したり、PlaceEngineのように全国走り回ってWiFi基地局情報かき集めたり、そういう昔ながらの泥臭い活動が、新しい価値創造には必要になるのだと改めて実感しました。

唯一今回のユビークリンクさんの発表で首肯出来なかったのが、「今のカーナビは、道路情報を車載端末に送り、端末でルート計算をしているが、リアルタイムな道路情報を用いる場合は、各端末に全道路情報を送って計算させるのは現実的ではない。未来のカーナビは、刻々と変わる道路情報を考慮してサーバ側でルート計算をし、結果だけを端末に送る形になるべきだ。」という話でした。
それは、現在の時点でできること、という前提の元でならば納得ですが、遠い将来的にもそれが最善か、という意味においては、全く首肯できません。
ミーティングに参加されていた「チミンモラスイ?の中の人」も、質疑の際に「オフラインになってしまうと使えなくなってしまうというのはいかがなものか」といった趣旨の質問をされていましたが、私も同感で、も一つ突っ込むと、せっかくプローブ位置情報というその局面局面、時間的にも空間的にもローカルな情報を用いているのに、それを利用するには中央システムへのコネクションが成立していなければできないというのでは、本質的ではないと思うのです(似たような話は、別分野ではありますが以前の記事にも書きました)。
今現時点では無理だとしても、遠い将来的には、各ローカル局面でプローブ同士がアドホックに情報交換しあい、中央サーバにアクセスしなくても局面局面で各ノードが自分達の問題を自己解決していくような、そういう方向性に進んで欲しいなと思います。

アイヌリンク:
詐欺師munyuuとのお笑い大戦で疲れ果てて、しばらく忘れてました。

アイヌ民族史、コミックに 登別の横山さん 「イ シカリ」第1巻発刊

故赤塚不二夫さんのアシスタント第一号で、市内在住の漫画家、横山孝雄さん(71)が、アイヌ民族の歴史を描いた歴史コミック「イ シカリ 神うねる河」(汐文社)の第一巻を発刊した。シャクシャインの戦いなどの史実を盛り込んだ意欲作で、横山さんは「集大成のつもり。若い世代に読んでもらいたい」と話している。

2008年12月07日

ジオメディア忘年会行ってきました

Posted by nene2001 at 23:10 / Tag: ジオメディア / 6 Comments / 2 TrackBack / Google Maps このエントリーを含むはてなブックマーク

Web 2008 Expoに続いて、翌日、こちらの記事でも紹介したジオメディア忘年会に行ってきました。
満員電車状態の会だったジオメディア新年会よりもかなり広い会場だったにも関わらず、やはり参加者は満員電車状態。
結局、何人来たんだろう?

ライトニングトークもあったんですが(というか最初から最後までずっと何かしらやってましたが)ほとんど聞けない状態。
代わりに、いろんな人に会ってきました。

  • GOGA小山さんの紹介で、アジャイルメディアネットワーク様の徳力さんとお会いしました。

国盗りのファンだと言うことで、「国盗りは『ネットでは人は動かせない』という常識への、挑戦的コンテンツだ」との言葉をいただきまして、ありがたい限りです。
いろいろ情報交換や貴重な示唆をいただきました。

  • 以前からGungiに参加させていただいたりとお世話になっているマイネット・ジャパン様の上原社長とお会いしました。

ネットにおけるディジタルディバイド解消への興味や、また小売店舗等のローカルな事業主が地域広告等を打つ際のランディングポイント量産手段として、マイネットさんのKatyに非常に興味を持っているのですが、そちらに関するいろいろなお話や意見交換等をいただきました。

  • コロニーな生活PLUSのゲームマスターで、最近株式会社コロプラを立ち上げられた、馬場社長とお会いしました。

位置情報ゲームの先達(先方が)として、いろいろ貴重な情報交換をさせていただきました。
ともに、このめちゃくちゃニッチな「位置情報エンタメコンテンツ」業界にいるものとして、競合とかっていう発想ではなく、一緒に業界盛り上げていきましょう、と盛り上がりました。

恥ずかしながら、コロプラさんの存在はずっと前から当然知っていたのですが、なんか見た目が普通の位置情報ゲームとは違いすぎてとっつきにくそうで、実は今まで参加してきませんでした。
が、馬場さんの紹介で始めてみたところ、最初の半日くらいはそれでもやっぱり何をやったらいいのかよく判らなかったのですが、徐々に成長していくコロニーを見るうち、また寄ってたかって(?)新参者に物資支援等のおせっかいを焼いてくれる他ユーザの来訪をみているうち、面白さが判ってきました。
国盗り的な、ある場所に行く事に意味があって、その達成具合をランキング等で他人と競うタイプのゲームではなく、距離というまさに通勤等でも得られる日常の中での移動を糧に、自コロニー育成と他ユーザとの助け合い・コミュニケーションを楽しむというタイプのゲームだったのですね。
コミュニケーションを活性化する仕組みも、多彩な階層の掲示板やアイテム・お土産・イベント等、いくつも用意してあって、よくこれだけの世界観を、たった一人で作り上げられたなあ、と感心することしきりです。
実は、国盗りでも、非日常的な遠征での国盗りだけではなく、日々の移動で日常的に楽しめる要素を作らなくてはという議論はずっとあって、「城下町育成」とかキーワードはずっとあったものの、(私も含め)何人も雁首ならべて誰一人具体的な世界観や企画に落とし込めなかったんですが、結局欲しかったのはコロプラ的要素なんじゃない?とか思えました。
いやあ、実にパクりたい...とか、3割方本心の冗談ですけど。
ちなみに、2日目終了目際の私のコロニー(第85988コロニー)の状況です。

コロプラ081207
人口 344人
お金 4プラ
食料 1368/1500 -
酸素 1368/1500 -
水分 1368/1500 -
ミサイル ON(レーダー0機)

  • DeNAの開発グループリーダー、能登さんとお会いしました。

ケータイのGPSデバイス化と並んで、私がこの業界に飛び込むきっかけとなった、伝説のNTTの実験「モーバイルインフォサーチ」というのがあるのですが、その中心となられた研究者で、ながらく私の憧れの人でもあった高橋克巳さんという方が、能登さんの大学の先輩にあたる、ということでした。
能登さん自身も私と同様、kokono.netに大いにインスパイアされたということなのですが、私のブログで過去高橋さんの話を取り上げたので、お声掛けしてくださいました。
高橋さんも、もう一度こういう飲み会とかに出てきて欲しいなあ...。

もちろん、シリウスさんやGOGAさん、サイバーマップ・ジャパン、Yahooさん、日産さん、shiganetさん、マルティスープさんのようなジオメディア常連の方から、今回はOSGeo忘年会も共催だったのでOSGeoメンバーやオープンストリートマップさん、さらにはライブドアさんまで、ジオメディアの裾野が広がったジオメディア元年の忘年会になりました。
この熱気を冷ますことなく、来年はさらに発展できればと思います。

「Web 2008 Expo」行って来ました

Web 2008 Expo(ただし2日目のみ)に行ってきました。
すんません、写真撮ってこなかったので文章のみレポートなのですが...。

Session 5の「Geomedia化するウェブ」から参加。
パネリストはYahooの地域サービス事業部長、村田さん(@生き生きモード(笑))とシリウスラボテクノロジーズ代表取締役の宮澤さん。
モデレーターは我らがジオメディアサミット運営チーム代表の関さん。

しょっぱなの、ジオメディアの歴史は、好評であったと共に力作。

村田さんは、ここで、革命的な出来事は2つあったとおっしゃってた。
1つは、97年頃のMapionやMapFanの登場で、それまで有料だった地図が無料で見られるようになったこと。
2つ目は、2005年頃の、Google Maps APIの登場で、地図が見るだけでなく、使うことまで無料になったこと。
が、村田さんは飽くまで「地図」の歴史に関する歴史として語ったので抜け落ちたと思うのだけれど、個人的にはそれに加え、2001年のケータイへのGPS機能追加を挙げたい。
基地局位置情報レベルまで遡るのならば、2000年でもいいのだが、その頃にケータイという常に持ち歩き、かつWeb空間に繋がるデバイスが、現在位置というコンテキストを検知できるようになり、かつ(ここが一番重要なのだが)その情報をシームレスにWebに流せるようになった、というのが、ジオメディアというものを考える歴史の中では革命的だったのではないかと思ってます。
ちなみに、2005年のGoogle Maps革命でたくさんの人がジオメディア系業界に飛び込んだように、私はこの2001年のGPSケータイ革命に感動して、この業界への転進を決めました。
なんだかんだと紆余曲折あった挙句、ようやくジオメディアを生業にできたのは、やっと去年だったりしますが。

続く、「なぜWebはジオメディア化しなければならないのですか?」という関さんの設問が、経緯ずっと知ってる立場からは面白かった。
なぜも何も、「ジオメディア言い出したんアンタ(関さん)ですがな」的な。
宮澤さんの「なぜ、ではなくて必然です」という答えがその通りだと思った。
別に、単に位置情報も、単なる属性、コンテキストの一つに過ぎないんだよね。
検索された文字に応じて、アクセスされた時刻に応じて、先に登録された性別等の属性に応じて、適切なコンテンツやリコメンドを提供する、というふうに、ユーザのもつ何らかの位置情報が取れたならばそれに応じて適切なコンテンツやリコメンドを提供できる、というだけの話で、普通の必然の進化過程に過ぎないと思う。

村田さんがその後話した、「テレビとか一般の広告市場はネットに食われて純減しているが、折込チラシやダイレクトメール等の広告市場は、むしろ今でも微増している」という趣旨の話は面白かった。
要するに、そういう位置的にローカルな効果を狙った広告市場は、いまだにネットはリアルに食い込めていないということ。
もちろん、そこには技術がどうこうという以前に、デバイスやコンテンツの未浸透と言うそれ以前の問題もあったりするんだけど、そういうところも含めて、ジオメディアの抱える可能性と課題として、考えていければと思う。

で、今回一番衝撃的だったのが、村田さんが「近々日本語環境にも対応させる」と言われていた、Fire Eagle
はてブでもこれだけブクマされてるし、もうほとんど誰でも知ってる当たり前っぽいアレみたいなんだけど、恥ずかしながら最近精神的に引き篭もりがちだったので、そういうものがあるのは知ってたけど何なのかは全然追ってなかった。
後で、ジオメディアサミットの仲間や同僚に、「以前レポートしてますよ、読んでくださいよ」と散々突っ込まれたのだけれど...。
これって、GOGAさんの呼びかけで開始された、GIS-GWの発想とよく似てる。
GIS-GWは、あるサイトで取った位置情報を、別のサイトへの遷移時に引き継ぐ仕様を統一しましょうという視点なのだけど、Fire Eagle的に中央に位置情報を集めて、位置情報をブロードキャストするという発想も挙がってた。
ただ、適用ユースケースとして挙がってたのは、TwitterとかFlickrで情報を共有するとかではなくて、もっぱら「ケータイ国盗り合戦」や「コロニーな生活PLUS」や「日本縦断!アンテナDASH」や「あんてなめぇ」、等等、みたいなユーザの時空間上の一点を占有する位置情報エンタメサイト間で、排他的にならずに位置情報共有して、各サイトが平和的に共存したい、という視点だったんだけど。
でも、それもGIS-GWがあらためてやらなくても、Fire Eagleが実現するなら、利用できそうだ。
ただ、位置情報エンタメサイトで利用するならば、やはり「位置情報の詐称」問題とか、「位置情報の取得手段(GPSか基地局か)と精度(GPS単独かハイブリッドか)」問題等の解決、またユーザに利用してもらい易いレベルまで仕様を落とす作業(断言するが、もしFire Eagleが日本語化しても、「国盗り」も「コロプラ」も「DASH」も「なめぇ」も、今のユーザ層の大半はFire Eagleを使いこなせないだろう)も必要になると思う。
その辺を、村田さんとも情報共有しつつ日本版Fire Eagleにフィードバックできればいいなあ。

その後の懇親会では、パネリストも務められたシリウスの宮澤社長に初めてご挨拶が出来た。
私もずっと注目してきていた位置情報ベースの広告を初めて形にし、ビジネスにされた方なので、ずっとリスペクトさせていただいていただけに、嬉しかった。

また、岩根研究所という会社の方からも、技術を紹介していただいたのだけど、こちらの技術、かなり面白い。
Googleストリートビューのような画像を取得するための技術なんだけど、よりクオリティの高い画像データが取れるようになっている。
サイトのトップページで紹介されているFLASHをみるだけでも概要は判るのだけれど、単に各ポイントで取得した画像を利用するだけでなく、前後の点での画像も処理し計算の中に入れることで、

  • 撮影車両の映り込みをシャットアウトして真上から真下まで死角のないシームレスな画像データ作成
  • 画像を道路面と同じ「平面」領域とそれを取り巻くビル面等の「壁面」領域に分割し、それを利用して映りこんでいるものの経緯度や高さ情報等も取得できる

といったようなことも実現しているようで、すごく面白い。

最近Googleのストリートビューを悩ませている「プライバシー」問題も、私道に入った云々はモラル/コンプライアンスの問題なので別として、通行人やナンバープレートなんかが映りこむ問題については、Googleの提供したいのは飽くまで街並み情報で、通行人やナンバープレートなんかはノイズに過ぎないにも関わらず、そのノイズが除けないためにいろいろ責められていて、可哀想だなあとは思っていたのだけれど(ただし、可哀想と思うのと問題ないと思うのは別問題なので、念の為)。
ここの技術を使えば、撮影車の映り込みを消す技術の応用で、通行人やナンバープレートを消すことも可能なのではないか。
聞いてみると、そういうことはまだやっていないということだったけど、前後の画像との差分で計算で撮影車両の映り込みがキャンセルできるのであれば、通行人なんかも、1回の撮影では無理だろうけど、お金をかけて2回同じ場所を撮影車両を走らせれば、1回目と2回目で違う映り込みをしたものは通行人や駐車車両といったノイズと判定し、キャンセルすることはできるんじゃないだろうか。

2008年12月03日

わしズムを読んで「アイヌは民族じゃないよ だから先住民族ではあり得ない」というような奴には、「国連先住『部族』の権利に関する宣言だよ」で問題ない

Posted by nene2001 at 11:22 / Tag: アイヌ 民族 / 1 Comments / 0 TrackBack / Google Maps このエントリーを含むはてなブックマーク

わしズムにはこう書いてある。

(P.19から引用)
ネーション・ステート(nation state)のnationは「民族」である。
stateは「国家・政府」である。

国家を形成する「言語・文化・歴史」のポテンシャルを持っている集団を「民族」というのであって、それ以外はethnic「部族」である。

国会の先住民族決議は、そもそも「民族」「先住民族」の定義すらしていない

アイヌはnation「民族」とは言えない。過去にも、現在も「民族」であったことはない

だが、この中の「民族云々」の部分は、日本語の「民族」と言う言葉の定義の曖昧さを用いた詐欺であるのが判った。
私自身、確かにnationが民族とも訳されるのを知らなかったりと、無知な面もあったが、その辺を論ってくれる人がいてくれたお陰で、調査するうちこの詐欺構造に気付けた。
素直に感謝したい。

「民族」について、Wikipediaで引いてみると、

日本語の民族の語には、近代国民国家の成立と密接な関係を有する政治的共同体の色の濃いnationの概念と、政治的共同体の形成や、集合的な主体をなしているという意識の有無とはとはかかわりなく、同一の文化習俗を有する集団として認識されるethnic groupの概念の双方が十分区別されずに共存しているため、その使用においては一定の注意を要する。

日本語の民族は、訳語としてはnationに由来しながらも国家の存在を前提としないため、多くの場合には、このような意味でのエスニック・グループと一致することとなった。

という事が書いてあり、確かに「民族」という言葉自体は「nation」の訳語として登場したのだろうが、実際の利用の場面では「nation」「ethnic group」のどちらでも利用されることがあり、その判別にはコンテキストを読み取らなければならない事が判る。
コンテキストを読み取らない限りにおいては、「民族はnationだ、アイヌはnationではない、故にアイヌは民族ではない」等という論法は通用しないことが判る。

では、先住民族という場合、これは「nation」「ethnic group」どちらのコンテキストとなるのか。
国会の先住民族決議では、確かに「民族」の定義はされていないようだが、

昨年九月、国連において「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が、我が国も賛成する中で採択された。これはアイヌ民族の長年の悲願を映したものであり、同時に、その趣旨を体して具体的な行動をとることが、国連人権条約監視機関から我が国に求められている

という一文がある。
「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されたのだから、具体的な行動が求められている(よって本決議を採択する)という文意である以上、「民族」の定義は「先住民族の権利に関する国際連合宣言」に従うと解釈するのが自然だ...というか、それ以外に解釈のしようがないだろう。
「先住民族の権利に関する国際連合宣言」と定義が異なるのならば、それに沿った具体的行動でも何でもなくなるのだから。

では、今度は「先住民族の権利に関する国際連合宣言」の解釈に移ってみよう。
「先住民族の権利に関する国際連合宣言」の原題は、United Nations Declaration on the Rights of Indigenous Peoples であり、「Indigenous Peoples の権利に関する国際連合宣言」であることが判る。
では、この「Indigenous Peoples」の指す概念とは何なのか。
「nation」なのか、「ethnic group」なのか。
英語版Wikipediaで引いてみると、以下のように書いてある。

The term Indigenous Peoples or autochthonous peoples can be used to describe any ethnic group who inhabit a geographic region with which they have the earliest historical connection, alongside migrants which have populated the region and which are greater in number.

どう読んでも、「ethnic group」に対する定義であり、「nation」に関する定義ではない。
よって、「先住民族」というコンテキストにおいては、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」の定義による「民族」とは「ethnic group」であり、それを受けた国会の先住民族決議の定義も「ethnic group」であって、「nation」ではあり得ない。

日本語で「民族」と訳されてしまっているからといって、勝手に「民族なのだからnationだ、(中略)、よってアイヌは民族ではない」という詐欺論説の片棒を担いではいけない
「先住民族」というコンテキストでは「民族はethnic group」だし、「ethnic group」という意味の民族では、アイヌは立派に民族である。
この辺は、わしズム自体が保証してくれる
(ethnic groupを民族を訳すか、部族と訳すかの違いだけで、アイヌ=ethnic groupであることについては、わしズムもそう記載しているのだから)。
或いは、わしズム脳の輩が「民族はnation以外にあり得ない、ethnicは部族だ」と主張するのならば、そういう人との議論では、一般語彙の方を「先住『部族』」「国会の先住『部族』決議」「先住『部族』の権利に関する国際連合宣言」と読み替えて、何ら問題はない

で、ここまで証明した上で、あらためて考えてみると、こんなもん普通に考えれば当たり前のことである。
民族浄化(ethnic cleansing)等を防ぐために、国連宣言まで出しているのに、その適用対象が対象が「Nation(民族)」であるのならば、「Ethnic(部族)浄化の被害受けてるの?でもごめんねえ、君たちNation(民族)じゃないから救えないんだ、悪いねえ」等となって、何のことかさっぱり判らない。
前の記事でも書いたけど、国家を形成するポテンシャルを持っているNation(民族)しか先住民族として認められないのであれば、それは「先住民族問題」ではなくて、普通に「侵略問題」ではないのか?チベットとか。
「Nationのポテンシャルを持っている」先住民族問題の実例が存在するのであれば、誰か実例を教えて欲しい。全然想像がつかない。

以上だが、最後にバカがまた湧かないように、補足はしておく。これを書いているにも関わらず、またバカが湧いたら、バカにしてあげて欲しい。
本エントリは、「アイヌは民族ではない」という詐欺主張の嘘を暴いただけで、「先住」については特に触れていない。
もしかしたら、「先住」をきっちり定義できずに、「ほらみろ、アイヌは民族かもしれないが先住民族ではなかっただろう」ということにもなるかもね。怖いなあ。
でも、そういう人にはこの記事を参考にどうぞ。

この意見広告は、フロイトが分析したヤカンについての小咄と似た構造をしている。AはBから銅のヤカンを借りる。ところがAが借りたヤカンを返した時には、ヤカンには大きな穴が開いてしまっている。Bの非難に対して、Aは弁解する。

まず第一に、俺はBからヤカンを借りてない。第二に、Bからヤカンを渡された時には既に穴が開いていた。第三に、ヤカンは全く無傷の状態でBに返した。

この三つの弁解は、それぞれ別々に見れば、Bの非難に対する反論として妥当なものだ。問題は、これらの弁解がお互いに否定し合っているということだ。Aの三つの反論が同時に成り立つことはない。Aは自らが潔白である理由を列挙していくうちに、墓穴を掘っていくのだ。

2009年01月
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