2008年10月11日

避妊とエイズ感染爆発

03a6614b.bmp 先日のCBS60ミニッツでアメリカ連邦最高裁裁判官、スカリア判事の特集が行われていた際、イタリア系でカトリックの彼には9人の子どもがいることが紹介(うち一人はイエズス会の司祭)されていた。彼は自分はカトリックなので妊娠周期を気にする程度で大した受胎調節もしなかったので次々に子どもが生まれることになった、と答えていたことを思い出す。カトリック世界では中絶と並び、受胎調節も公には禁じられている。  

 現ローマ教皇、ベネディクト16世は10月3日の公式声明で、あらゆる医学的、物理的な避妊や受胎調節行為について

 「神からの贈り物を受けるための夫婦間愛を否定することを意味する。」

 と述べて、従来のバチカン公式見解の通り、避妊を禁じて反対する姿勢を維持している。また、同時に現在のアメリカ大統領選挙でも論点とされている同性愛(及びその結婚の承認)や人工妊娠中絶への刑事罰(犯罪化)の可否についても従来と同じ見解を継承している。

 バチカンでは、1968年、ヨハネ23世の後に就任したパウロ6世が世界中の全ての司教に宛てて「避妊反対の回勅」を発表した歴史がある。この際は大きな論議を呼び、あまりに非現実的で物理的についていくことが不可能だとして世界中から数百万人の信徒がカトリックから抜け去ったと言われている。

 避妊の可否についてパウロ6世が発した「絶対の真実」とされる回勅は今も議論されており、今年7月、欧米の60以上のカトリック団体から立場を変更を嘆願する働き掛けが出ていたことがあるし、何年か前、スペインの大司教が避妊を許容する発言を一時的に出したこともあり、各国司祭の間でも立場、考えが大きく割れている。今年はこの回勅が発表されてからちょうど40年目に当たる。

 68年当時と現在で大きく異なることは、少子高齢化の著しい進展や欧州における顕著な宗教離れの現象もさることながら、エイズ(HIV)の感染爆発問題が地球全体に広がったことであろう。特にカトリックが広まっているアフリカ大陸と南米大陸で感染者数の増加が大きく、現在、7000万人強(うちカトリックが1200万人前後と推定されている)と急激に信徒数を増やしている中国でも感染者数の拡大は猛烈である。

 エイズの感染爆発予防には避妊の普及が極めて重要であるが、根本的な治療の道が開かれてこの疾病の容易な根絶にこぎ着けない限り、避妊についての見解をこの立場で維持できるかどうか、注目されている。

mediaterrace at 00:38 │Comments(2)TrackBack(0)この記事をクリップ! キリスト教について 

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この記事へのコメント

1. Posted by 多摩川太郎    2008年10月11日 22:16
バチカンのおひざもと、イタリアでは、既婚者による夫婦両者の不倫が夫婦承諾のもとに行われている割外が3割くらいあ
るそうです。イタリアでのエイズの広がりはどうでしょう。

アフリカでは、一夫多妻の文化のもとで、キリスト者といえど複数の妻をもつとか。南アフリカの牧師たちは、正妻以外に性関係のある複数の女性のいる割合が、かなり高いとか。
フィリップ・ヤンシーの英語のエッセーで読みました。

そのへん、イスラム教徒は、夫婦関係ににおいて厳格で、エイズの広がりがキリスト教徒間より、少ないのだそうです。
アフリカでは、カトリックどころか、プロテスタントでも多いのではないでしょうか。

詳しく統計を調べたわけでないので、うわさ話のレベルですみません。
2. Posted by Kirishitan    2008年10月14日 21:28
教皇ベネディクトの出身国であるドイツのカトリックとかが、こいつの言うことをそのまま信じていると思うか。そのはずはない。
バイエルン州のカトリックだって、教皇の言うことなんかまあ聞き流しておいてみんな適当に避妊措置を取っているのが普通。
だからドイツの出生率は、西欧の中でも低いのである。
教皇の言うこと、あれはああいうバチカンのプロパガンダ。

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